顧客データID管理

データ連携におすすめのツール10選

データ管理のため、複数の社内システムやクラウドサービスを導入している企業は少なくありません。しかし、データが散在していると、有効なデータの分析・活用ができず機会損失につながるため、適切なデータ連携を行うことが重要です。そこで本記事では、円滑なデータ連携に役立つツールを10選ご紹介します。

データ連携とは

一般的に「データ連携」とは、企業の複数のシステムやアプリケーションなどに分散されているデータを連携させて、有効活用するための技術またはプロセスのことです。

業務が部門ごとに縦割りで進行・完結している場合、各部門には独自のデータが蓄積されるものの、それらを共有・連携する機会がないという事態が起こり得ます。そうした状況を情報の「サイロ化」と呼びますが、これではせっかく得たデータを有効活用できません。

ビッグデータやクラウド、AI(人工知能)などの活用が一般化しつつある現在、サイロ化を克服することは、多くの企業にとって急務といえます。特に近年では、統計学・数字・AIなどを駆使してデータ分析を行うデータサイエンティストに注目が集まるなど、適切なデータ分析の重要性が非常に高まっています。データ連携を行い、各部門に集約されたデータを共有・分析することは、ビジネスを続ける上でもはや避けて通れないでしょう。

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この記事では、データのサイロ化問題の概要や、もたらされる悪影響について解説します。その上で、その解決策となるシステムについても紹介するので参考にして下さい。

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データ連携におすすめのツール10選

データ連携を行うことは非常に大切ですが、そのためには適切なツールの導入が欠かせません。そこで以下では、データ連携を始めるにあたって検討したい、おすすめのツールを10選ご紹介します。

1. SAP Customer Experience

「SAP Customer Experience(SAP C/4 HANA)」は、世界中で18,300社以上のパートナーを契約しているSAP社が提供するCRMサービスです。

「CRM(Customer Relationship Management)」とは、日本語では「顧客関係管理」「顧客管理システム」などと呼ばれる、顧客と長期的に良好な関係を続けていくための方法やシステムのことです。本製品では、営業・カスタマーサービス・マーケティングなど、さまざまな部門で得られた顧客データを1つのプラットフォームで一元管理し、社内で共有することが可能です。

従来、営業活動といえば架電や訪問を行うのが一般的でしたが、近年はテクノロジーの進化により、ITツールで営業活動の一部を担えるようになりました。本製品にも、営業活動の自動化を助けるアプリケーションが搭載されています。これにより、営業担当は人対人のやり取りが必須なシーンに専念できるため、営業活動の効率化につながります。

また、実店舗への訪問やECサイトへのアクセス、電話・メール・SNS・チャットボットによる問い合わせなど、さまざまな顧客接点によって得られたデータを一元管理できることも、適切なマーケティング戦略につなげられるはずです。

そのほか、ERP(企業資源計画/統合機関業務システム)である「SAP S/4 HANA」で処理を行っているため、CRMの顧客データと、ERPの購買・顧客・在庫などの管理データともスムーズに連携できます。

https://www.sap.com/japan/products/crm/products.html#active_tab=item_1602592257238

2. ASTERIA Warp

「ASTERIA Warp」は、日本国内で長年トップシェアを誇るデータ連携ツールです。

専門的なコードは使わないので、非エンジニアの方でも使いやすい点がメリットです。企業内で使われている複数のシステムやクラウド上のデータをつなぐことで、社内システム全体の最適化を進められます。

Excel/Salesforce/Google Drive/Oracle Eloqua/LINE/Facebook/Twitterなど、さまざまな外部サービスと連携できるアダプター機能が続々と開発されているのも特徴です。

https://www.asteria.com/jp/warp/

3. Business SPECTRE

上述したSAP ERPのデータを簡単かつスピーディに抽出できるツールが、「Business SPECTRE」です。SAP ERPは優れたシステムですが、大量のデータが格納されるため、なかなか有効活用できないケースも考えられます。そのような場合に本製品を導入することで、膨大なデータを使った戦略設計・予算管理などがスムーズに進められます。

システム管理者・部門のレポート管理者が、分析項目の表示設定・フィルタ変更などのユーザー操作権限を細かく設定できるため、「部門によって閲覧できるデータに制限をかけたい」という場合にも有効です。

また、Excelのピボットのような分析軸の入れ替えも直感的に行えるため、Excelを使った現場で起こりがちな「現場担当者が作成したマクロが複雑で、ほかの担当者が使えない」といった問題も避けられるでしょう。

https://www.zdh.co.jp/products/businessspectre/

4. KrewData

「KrewData」は、脱Excelをめざす企業におすすめしたい、「Kintone」のプラグインツールです。

サイボウズのKintoneは、SNS感覚で気軽なコミュニケーションや議論ができるうえ、保存場所が散在しがちなExcelデータなどを1つにまとめられるプラットフォームです。そのKintoneに対して本製品を用いれば、パズルのようにコマンドを組み合わせるだけで、Kintoneのデータを自由に集計・加工・結合できます。

「月の最終日」「毎週月曜日」など、指定したスケジュールで集計処理をしてくれるプランがあるのも便利です。実行結果はKintone上のログで見られます。また、会社名の(株)を「株式会社」にしたり、半角カタカナを全角にしたりといった「データクレンジング」機能も備えています。

https://krew.grapecity.com/products/krewdata.htm

5. Any flow

「Any flow」は、簡単な設定をするだけでGmail/スプレッドシート/GoogleDrive/Salesforce/SmartHR/Slack/freee/Chatworkなど、さまざまなSaaSを連携させられるシステムです。

「勤怠システムの打刻をトリガーにして、自動的にSlackの招待をする」「勤怠システムのエラー情報をChatworkで通知する」「名刺管理ソフトとSalesforceを連携させる」「Saleforceの商談のフェーズが変わったら、クラウドサインで申込書を自動送付する」といった使い方も可能です。

https://anyflow.jp/

6. DataSpider Cloud

「DataSpider Cloud」は、株式会社アプレッソと株式会社テラスカイが開発した、日本製のデータ連携プラットフォームです。主要バス会社でも導入されており、運行ダイヤの最適化や、車両・人などの状態検知にも活用される予定です。

Kintone/Salesforce/AWS/Google/Microsoft Azure/Amazon S3など、国内外の主要なシステムとのスムーズな連携が可能です。データの入出力・変換・加工も、すべてドラッグ&ドロップという直感的な操作で行えるため、プログラミングの知識がなくてもさまざまなデータを気軽に接続できるでしょう。

日本製のため、半角カナや西暦→和暦への変換といった、日本語ならではの「表記ゆれ」にきめ細かく対応しているのもポイントです。

https://www.hulft.com/software/dataspidercloud

7. Informatica PowerCenter

「Informatica PowerCenter」は、国内で最初にPowerCenterを発売した三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)が提供する、PowerCenterの特長を活かしたデータ統合ソリューションです。

大量のデータを高速で処理するテクノロジーはもちろん、正確なデータの再利用やダウンタイム最小化のために、障害検知と復旧の自動化、サーバーダウン時の代替サーバーによる処理の継続といった機能が備わっています。ICT環境における豊富な実績を持つ、MINDならではの機能性といえるでしょう。

仕様変更や追加開発にもスピーディに対応できるほか、独自の使いやすいインターフェースも特徴です。

https://www.mind.co.jp/service/idc_platform/platform_products/powercenter/

8. Talend

データ統合のリーディングカンパニーであるTalend社が提供する「Talend」は、より正確で健全なデータ活用がしたいと考えている企業におすすめのデータ統合プラットフォームです。社内システムや、Azure/AWS/GCP/Salesforceなどのクラウド上に点在するデータの連携・統合、ビッグデータの活用などに役立ちます。

また、パッケージのひとつである「Talend Data Catalog」では、使いたいデータの履歴を生成元・利用先なども参照できるため、データの信頼性を確かめたい場合に便利です。

https://www.talend.com/jp/

9. Qanat2.0

「Qanat 2.0」は、点在するシステムのデータを連携するためのシステムです。

ドラッグ&ドロップとアイコンを活用して直感的に操作できるため、複雑なデータ加工などの知識は必要ありません。プログラムを組まなくても、簡単にシステム間を連携させる仕組みを構築でき、Oracle/SQL Server/MySQLなどとも連携が可能です。

また、システムやSaaSから自動的に電子帳票(pdf)を作る機能があるのも特徴です。データはcsv・テキスト形式・Excel形式でも出力できます。

https://cloud-direct.jp.fujitsu.com/pages/productinfo/2078

10. RACCOON

「RACCOON」は、さまざまなシステムに格納されている異なるフォーマットのデータをスピーディに抽出・加工し、DB/CSV/XML/Excelなど多彩なフォーマットに変換するシステムです。複雑な操作は不要で、ドラッグ&ドロップで簡単に変換できます。

全社的なデータを各支店・各店舗・各工場などの単位に分割し抽出する、といった特殊処理にも対応しています。16,000文字におよぶ外字テーブル(文字コードなどに含まれない特殊な文字・記号)が用意されているため、人名・地名を業務上よく使用する場合も安心でしょう。実際、地方自治体の国民健康保険システムの移行時に使われた事例もあります。

用途や期間に応じて、サブスクリプション・買い切りと料金体系を選べるのも魅力です。自社の運用方法に合わせて選択できるため、無駄なコストの発生を防止できます。

https://www.dal.co.jp/products/dhp/raccoon/outline.html

まとめ

複数の社内システム・クラウドサービスなどに散在するデータを連携させることは、貴重なデータを有効活用するうえで非常に重要です。さまざまなデータを1つのプラットフォームで管理・運用できれば、顧客満足度の向上やコスト削減、生産性の向上などのメリットが期待できるでしょう。今回ご紹介したデータ連携ツールは、いずれも使いやすいものばかりなので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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