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SFAの導入を成功させるには?必要な6つの導入ステップを解説

近年、従来の営業スタイルから脱却するために、「SFA」を導入する企業が増えてきています。しかし、導入したのはよいものの、うまく運用できずに苦戦している企業も少なくありません。そこで本記事では、SFAの導入ステップについて解説します。「現場でツールが定着しない」「データを分析まで活用できない」などのリスクを避け、導入を成功に導きましょう。

SFAの導入を成功させるには?必要な6つの導入ステップを解説

SFAとは?

「SFA」とは「セールス・フォース・オートメーション」の略で、企業の営業活動を可視化し効率化するためのツールを指します。営業メンバーの行動管理・顧客管理・案件管理などの機能が備わっており、それらに関連するデータを蓄積・運用して、売上へとつなげる仕組みを構築します。

営業の仕事は、テレアポ・顧客フォロー・見積書作成・日報作成・クロージングなど多岐にわたります。その中に含まれる定型業務や繰り返し業務をSFAで自動化すれば、コアな業務に集中できる環境が作れるでしょう。また、データ分析から戦略的な行動パターンが導き出せるので、効率的な営業活動が実施できます。

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SFAの具体的な導入ステップ

以下では、SFAの導入を成功させる6つのステップについて解説します。

1.プロジェクトチームの編成

プロジェクトチームは通常3~5名程度、数名から数十名の小規模組織なら2~3名で十分です。現場に精通したチームリーダーや実務を担うコアメンバー、社内周知を支援する随時メンバーを選抜します。

ツール導入により、営業プロセスや業務フローが抜本的に見直されるため、社内からの反発も予測されます。そのため、課題解決力のない人がリーダーになったり、リソースに余裕のないメンバーが多かったりすると、プロジェクトの成功率は一気に低下するでしょう。

確実にSFAツールを定着させるため、優秀な人材を集め、経営陣や営業統括部長はプロジェクトチームへの権限譲渡を明確に行ってください。

2.SFAの導入目的の確認

SFAの導入目的を明らかにするには、経営陣らと営業改革に必要な課題を共有する必要があります。まず、今まで見過ごしてきた営業活動上での問題点を把握し、それらに対しSFAの機能(営業報告作成・案件管理・商談管理など)が有効であるか十分検討してください。

次に、SFAを活用して問題点を改善する具体的なプロセスを考えます。前述したとおり、SFAは営業活動を可視化し、業務プロセスを最適化するツールです。目的はあくまで売り上げの最大化であり、システム導入ではない点に注意してください。

3.システムの要件の定義

SFA導入にあたり、スケジュールや予算、システム要件(提供形態)を検討します。スケジュールの目安は、システム選定から契約までに3ヶ月、契約から運用を開始するまで2ヶ月の計5ヶ月程度です。適切なツールは、企業のビジネスモデルや営業戦略により異なります。

SFAの中にはCRMやMAを包括しているサービスもあり、それらが自社の業務体系にフィットするか社内全体で検討します。いかに多機能であっても、現場で使いこなせなければ意味がありません。目的と照らし合わせながら、必要な機能を検討してみてください。

予算はイニシャルコストとランニングコストの観点で整理し、候補に挙がっているツールをそれぞれ比較検討していきます。提供形態は、利便性を優先するならクラウド、セキュリティを重視するならオンプレミスがおすすめです。

4.導入システムの選定

WebサイトやSIベンダーの紹介、パッケージベンダーのセミナーなどで具体的な運用事例を調査し、自社の条件に合うツールを3社程度まで絞り込みましょう。次に、ベンダー各社の担当者と面談し、自社の目的と営業課題に対するRFP(提案依頼書)とRFI(情報提供依頼書)を作成してもらいます。

ツールの機能面はもちろんですが、提案力や顧客フォローも重要な要素です。特に注視すべきポイントは、「ランニングコストとイニシャルコスト」「SFA運用・定着までの研修サポート体制」「システム開発における拡張性」「ヘルプデスクの有無」「セキュリティ体制」などです。これらに問題がないか十分比較検討してください。

5.システムの導入

契約締結後、オンプレミスの場合はサーバー調達やネットワーク構成が必要です。システムが無事導入されたあとは、運用をスタートさせるための準備に取り掛かります。

システム管理者による顧客・人事・名刺・案件・グループ情報などの基幹システム連携や、各種マスタおよびパラメータ情報の登録などが必要です。

6.運用の開始

運用スタート時は、利用者を対象とした研修(業務フロー確認・操作指導・マネージャー向け研修)を実施するのが一般的です。導入のタイミングで、現場からのフィードバックや運用ルールに関する質問を受け付けられるよう、プロジェクトメンバーによる社内ヘルプデスクを設置します。

SFAを定着させるにあたっては、運用開始後3ヶ月間の取り組みが重要です。四半期単位で効果測定を実施し、各種データやコメント入力を怠らないよう、マネージャーが率先してリードしましょう。

SFAの導入成功に役立つ4つのポイント

ここからは、SFAツールを運用・定着させるのに役立つ、4つのポイントについて解説します。

導入目的と課題を明確にする

実際にSFAを操作するメンバーが「このツールは誰がどう活用し、どんな成果が期待できるのか」を理解してから導入しましょう。SFAの役割が伝わっていないと、運用を促すためにデータ入力のKPIを設定するなど、本末転倒な事態が起こりかねません。

また、不要な機能まで運用させた結果、営業の負担が増えてしまうケースも見受けられます。目的はあくまで「ステータスの可視化と情報の一元化による業務効率化」「営業活動の最適化と利益の最大化」です。営業メンバーが使ってこそのSFAツールであり、押し付けにならないよう注意が必要です。

営業担当者の理解を得る

SFAに限らず、ITツールを導入すると業務フローが変更されるので、一時的にでも現場に負荷がかかります。導入する際は、「ただでさえリソースが足りないのになぜ?」「今の業務で十分回っている」といった意見も出てくるでしょう。

長期的な視点を持てば業務効率化につながるので、将来像を全員で共有することが大切です。そのうえで、どのようなデータが必要か、どう改善すればもっと運用しやすいかなど、積極的にヒアリングを重ねていきましょう。

クラウド環境で利用する

SFAの環境は、オンプレミス・パッケージ・クラウドから選べます。リモートワークの定着やデバイスの進化により、現代に一番マッチしているのはクラウドといえるでしょう。

クラウドは初期導入時のコストが安く、サーバーメンテナンスが不要で、Webブラウザ経由でシステムを利用すれば外出先からのアクセスも可能です。オンプレミスに比べシステム構築の柔軟性は劣りますが、クラウド環境で運用することにより、新しい営業スタイルが確立できます。

たとえば「商談前に顧客の最新情報を確認し、必要な資料を入手する」「商談後のコメントに、上司が即座にフィードバックする」「移動中に日報を作成し、提案書の資料作成をほかのメンバーに依頼する」など、手元のデバイスだけで営業活動が完結できます。

使い勝手がよいサービスを選ぶ

いかに性能が際立っていようと、多機能であろうと、営業メンバーにとって使いやすくなければ意味がありません。実際に操作して、画面の見やすさや入力のしやすさをチェックしてみてください。

また、外部ツール(チャットツールやビデオ会議ツール)と連携できれば、必要な情報に素早くアクセスできるので便利です。すでに外部ツールを使用している、あるいは使用する予定がある場合は、連携機能の有無にも注目するとよいでしょう。

SFAの導入メリット

最後に、SFAの導入を成功させるために、ツールのメリットを再確認してみましょう。

営業活動が見える化できる

誰が・いつ・どの商談を・どう進めているのかといったステータスが明確になるので、失注を回避するためのフォローが可能です。また、日々の営業情報が蓄積され、細かなプロセスを含む多様なデータを効率的に保存できるので、業務改善に役立てられます。

情報の共有で組織全体の強化が図れる

メンバー間の能力差を生み出す業務の属人化は、早めに解消しなければなりません。クラウド型SFAツールの導入により、リアルタイムでノウハウの共有ができます。これにより、成果を出している営業メンバーと同じアクションが選択できるので、売上アップと業務効率化につなげられます。

より戦略的な営業活動が行える

SFAツールには、蓄積された売上データを自動で分析する機能が備わっているため、販路拡大も戦略的に行えます。

さらに、既存のツールと連携させることで、顧客情報の流通がスムーズになり、確度の高い売上予測が立てられるようになります。その結果、スピード感のある経営判断が実現します。

まとめ

営業の業務範囲は広く、純粋な営業活動である顧客アプローチ以外の業務に追われがちです。SFAツールの導入は営業活動を最適化させる一方、運用上の問題で、その価値を十分に活かせないケースが存在します。ツール導入を成功させるには、導入の初期段階で十分検討し、チーム全体で目的を共有することが大切です。不要な機能にコストを投入しないためにも、ご紹介した6つの導入ステップをぜひ参考にしてみてください。

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