商品データを正確に管理・運用して魅力的な商品体験を提供

 2021.10.28  カスタマーデータ活用ポータル編集部

現代ビジネスにおいては、マルチチャネルを活かしたマーケティング・販売戦略が欠かせません、そこで大事になってくるのが、どのチャネルにおいても商品データを正確に管理・運用し、魅力的な商品体験を提供することです。本記事では、商品データを効率的に管理するためのITツールとして、PIMやMDMについてご紹介します。

顧客体験の最適化にはデータの活用が不可欠

商品データの活用の重要性を理解する前段階として、まずは顧客体験の最適化が企業にとって大きな価値を持つに至った背景から、軽く押さえておきましょう。

そもそも顧客体験(Customer Experience)とは、顧客が企業やその商品・サービスについて認知し、購入・利用して離れていくまでの一連の体験プロセス、またはその感情的価値を意味します。従来、消費者の心を掴むためには、商品の品質を高め、それをできるだけ安い値段で提供すればよいという考えが主流でした。

しかし、今の社会には類似した商品・サービスがあふれており、他社商品との差別化が難しくなっています。さらに、消費者はインターネットを使って、多様な選択肢の中から自由に商品を選べるので、もはや企業が一方的に顧客の購買活動をコントロールできなくなっているのが現状です。

そこで重要になってくるのが、すべての顧客接点において、顧客一人ひとりにパーソナライズされた顧客体験を提供することです。良質な顧客体験は顧客満足度の向上につながり、顧客のロイヤリティと保持率を高め、結果として売上を増加させます。

とはいえ、顧客体験を向上させるためには、顧客に対する深い理解が欠かせません。データ活用はこの点において重要で、企業は顧客との接点で発生するデータを収集・分析し、顧客を正しく理解することにより、良質な顧客体験の提供が可能になるのです。

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商品のデータを管理する方法

顧客体験の向上に役立つ重要なデータのひとつが、商品データです。続いては、商品データを管理するための2つのITツールについて解説します。

商品情報管理(PIM)

「PIM」とは「Product Information Management」の略称で、「商品情報管理」を意味します。PIMツールは、企業が保有する商品情報を一元管理し、多くのeコマースプラットフォームや顧客管理システム(CRM)、統合基幹業務(ERP)などのソフトと連携し、組織全体で最新の商品情報を共有できるようにします。

現代ビジネスでは、商品カタログや自社のコーポレートサイト、ECサイト、動画サイト、SNSなどマルチチャネルでのマーケティング・販売戦略が実施されています。また、業界によっては毎月のように新商品を発売する必要もあり、企業が管理すべき商品情報の量も、管理の複雑さも増大しています。

こうしたニーズに応え、商品名・サイズ・カラー・機能・画像・動画など、顧客に商品情報を伝えるうえで役立つあらゆるデータを保存し、活用する機能を備えたものがPIMツールです。PIMを活用することで、企業はどのチャネル・担当部門においても商品情報を整合的に扱い、マルチチャネルでの効率的な販促活動が可能になります。

商品マスターデータ管理(MDM)

そもそも「マスターデータ」とは、商品・顧客・仕入れ先といった企業で扱うデータの基礎となる情報を意味します。「MDM(Master Data Management)」とは、このマスターデータの管理に役立つITツールです。

MDMの用途はIT主導のもと、顧客・製品・場所・サプライヤー・財務など、さまざまな領域のマスターデータや参照データを一元化した、「ゴールデンレコード」を作成することです。MDMを導入することで、組織内の誰もがアクセスできる、正確で一貫性のある情報の作成が可能です。

PIMとMDMは一部共通する部分もありますが、基本的な理解としては、PIMは商品情報に特化した管理ツール、MDMは商品情報だけでなく従業員・顧客・ベンダーなど、企業内のすべての領域に関連したより包括的な管理ツールと捉えてよいでしょう。

商品データを管理・運用するために必要な機能

商品データを管理・運用するために必要な機能はさまざまですが、とりわけ重要なものとしては「情報統制」「データ品質の強化」「データ検索」の3つが挙げられます。

情報統制

商品情報は、企業にとって最も重要な情報資源のひとつです。特に発表前の商品情報や社外秘の技術などは、情報漏洩などが起きないよう厳重に情報統制しなければいけません。

この点、PIMでは商品の状態を公開・非公開などのステータス属性に基づいて管理し、アクセス制御することが可能です。ステータス属性を更新する際は、「申請→承認」のワークフローを必須とすることで、その変更の妥当性を多重チェックできます。

なおPIMは、マルチチャネルで展開する商品データを管理・運用しますが、このステータスの変更はチャネルごとに管理可能です。また、最近では商品をグローバル展開することも珍しくありませんが、PIMでは言語ごとに商品データを管理できます。PIMを導入することで、企業はセキュアな情報統制を実現できるのです。

データ品質の強化

PIMには、商品データの品質を確保するためのチェック機能などが搭載されています。現代ビジネスにおいては、マルチチャネルで商品プロモーションを実施することが珍しくありません。しかし、その際に配信する情報がチャネル間で食い違っていると、顧客は混乱してしまうでしょう。

そこでPIMには、商品のデータ品質が確保できているかチェックする機能が搭載されており、あらかじめ指定されたルールに登録データが沿わない場合は、配信できないように設定できます。これによって企業は、商品情報が誤った状態や不足した状態のまま顧客に配信されることを抑止し、信頼できるデータ品質の維持が可能です。

データ検索

PIM内の商品情報は、Webサイトなどで顧客向けに提供されるだけでなく、社内の各部署の人間も必要に応じて参照します。たとえば営業部なら、顧客を訪問する前に、そこで取り扱う商品の詳しい情報を確認しておきたい場合もあるでしょう。

その際に重要となるのが、PIM内の商品情報を効率的に確認するためのアクセシビリティ確保です。PIMの検索エンジンでは、商品種別や発売日別など多様な仕方で情報検索ができます。いつでも効率的にデータにアクセスできる環境を整備することは、データ活用の大前提ともいえる重要な機能です。

商品データの正確な管理・運用を実現する「SAP Customer Experience」

SAP社提供の「SAP Customer Experience(SAP C/4 HANA)」は、商品データの正確な管理・運用を実現する次世代型クラウドCRMサービスです。顧客データを1つのプラットフォームで一元管理し、顧客の全体像を把握することが可能です。

また、CRMの顧客データと、在庫管理や生産管理といったERPの業務データの連携もできるため、これらをPIMやMDMの商品データと組み合わせ、顧客にパーソナライズしたマーケティング施策を実行することで、より優れた商品体験を提供できます。

まとめ

現代では、あらゆる顧客接点において優れた顧客体験を提供することが、競合他社から自社を差別化し、ロイヤルカスタマーを育成するうえでの重要事項となっています。そして良質な顧客体験を提供するには、顧客が何を求めているのか的確に把握し、それに合わせた魅力的な商品情報を提供していくことが欠かせません。PIMやMDMは、この商品情報を一元的に管理するためのITソリューションです。これらのツールを活用することで、企業はマルチチャネルでの商品プロモーションを適切かつ効率的に実施し、よりよい商品体験の提供が可能となります。


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