マーケティング

企業規模に関わらないブランドマーケティングの方法

ブランドマーケティングについて考えることは、企業にとって大きなメリットをもたらします。顧客に対しては、他社より自社を選ぶ意味を与えることになり、マーケティング担当者が抱える行き詰まりを、解決することにもつながります。

今回は、ブランドマーケティングの考え方や得られるメリットなど、基礎的なところから解説していきたいと思います。

そもそも、マーケティングとは?

まず、ブランドマーケティングについて説明する前に、マーケティングという言葉の基礎知識について説明しておきたいと思います。マーケティング担当者の方でも明確に答えられる方は少ないので、今一度確認していきましょう。

マーケティングとは、非営利組織や企業が行う行動のうち、「顧客が真に求めるサービスを作成し、その情報を届けて顧客がその商品を効果的に得られるようになる過程」の全体像を表す概念として利用されています。

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

デジタル技術の進化と共に購買プロセスが大きく変化し、B2B・B2C に関わらず、購買者はあらゆるタッチポイントで一貫したサービスを求めるようになりました。この変化の激しい時代において求められる顧客体験とはどのようなものか?

本動画は、過去 SAP.iO のプログラムに参加し、当領域の最前線で活躍されているスタートアップ各社の CEO をお招きし、日本企業が目指すべき将来の CX のあり方などについてディスカッションした内容を収録しています。

動画視聴はこちら

理想のマーケティングについて

このようなマーケティングの概念に対して、ピーター・ドラッカーは、ある理論について語っています。彼は、理想のマーケティングとは、販売を不要にするものだと述べました。つまり、従来の場当たり的なプッシュ型のマーケティングではなくて、お客様が自然と買いに来るような状態が作れなければ、マーケティングとは言えないと語ったのです。ドラッカーの理想のマーケティングを実現するためには、顧客が何を求めているのかリサーチし、情報を求めるターゲットに対して発信していく必要があります。

マーケットを分析し、新製品を開発後、広告効果測定ができるまでの一連の流れによってできた仕組みこそ、彼が理想とするマーケティングの概要なのです。

ブランドマーケティングの考え方とは?

今回のメインテーマでもあるブランドマーケティングは、顧客が求める価値を生み出すためにブランドの基本設計をきっちりと行い、社内メンバー同士で一貫性のあるマーケティングを行うことだとされています。簡単に説明すると、社内メンバーが共有できるブランドの概念であり、共通のフレームワークとされているもののことを表します。ブランドマーケティングが登場した背景について考察すると、すべての消費者をターゲットとして同様のマーケティングを定期的に行うマスマーケティングの限界が見え隠れしていることが伺えます。

日本企業のマスマーケティングの限界から生まれた

従来の日本企業は、マスマーケティングを得意としており、企業が膨大な数の営業を投下し、同質型のビジネスを繰り返すということをしていました。新製品を開発しては、顧客の視点に立つことなく次々と市場に投下していきました。同じ商品でもキャンペーンを変えることで、無理にでも販売していたのです。

その結果、消費者が物や情報に恵まれるようになり、市場が成熟期を向かえるようになりました。その瞬間から一方的に商品やサービスを与えられていた消費者が、自分で必要なものを取捨選択するようになりました。物と人が連結され、情報化社会が進む現代は、ただ商品やサービスが便利であれば売れる時代ではなくなっています。顧客は、モノの背景にある価値観や信念を見定め、購入価値があるか判断しているのです。

新製品の寿命について

基本的に新製品というものは、導入期を迎えて成長期に進みます。次第に成熟期を迎えて、衰退期に入ります。これが新製品の寿命であり、一般的な製品のライフサイクルとも言われています。企業としては、衰退期に入ることだけは絶対に避けなければいけません。

そのため、成長期と成熟期に、他社と差別化できるようなビジネスが展開できれば衰退期を迎えることがなくなります。この問題を解決していくのがブランドマーケティングで、衰退期に向かうことなく、新製品を市場の中で定番化してくれます。

ブランドマーケティングのメリット

実際に中小企業がブランドマーケティングを導入すると、どんなメリットがあるのでしょうか。一般的にブランドというのは、他の商品とは違うという識別要素を与えてくれます。そのため、他社の新製品よりも優位性をアピールするごとができたり、差別化を図ることができたりします。また、ブランドマーケティングによって、良いイメージを固定化することができれば、一定の顧客の支持を得ることができます。自社の企業の取り組みに興味を持ち、積極的に利用してくれるようなロイヤルカスタマーが多くいれば、ビジネスが長期的にうまくいく可能性は非常に高いです。

ロイヤルカスタマーは、企業の価値観や信念に共感しているため、価格少々が上がったとしても大きく影響を受けることがありません。ブランドの基本設計さえできていれば、他社よりも数倍高い価格設定でも制限を受けることなくビジネス展開が可能です。強いブランドが強力な販売力へとつながり、膨大なコストを支払わなくても大きな利益を得ることができます。ブランドマーケティングは、マーケティングの効果と効率を高めるため、長期的な利益の源泉となることは間違いないです。

ブランドマーケティングの基本設計の作成方法

いよいよブランドマーケティングの実践方法について解説していきます。ブランドマーケティングのアプローチ方法は無数にあるため、今回説明する方法が絶対的な正解ではありませんが、押さえるべきことは下記の3つです。

  1. 新しい価値を創造していること。
  2. 潜在的なニーズを発掘していること。
  3. 心理的な価値によって差別化していること。

それでは、それぞれの項目について説明していきます。

①新しい価値を創造していること

ブランドマーケティングを実践していく以上、他社では絶対にできないような新しい価値を創造していく必要があります。あなたの企業でしか体験できないことを、お客様にサービスとして提供していくのです。限定性が高ければ高いほど、強力なブランディングとなるため、最も時間をかけて考えるべきところです。

②潜在的なニーズを発掘していること

これは、今まで誰も焦点をあてるところがなかったところに、誰よりも真っ先に焦点をあてるということです。どの企業も同じところに注目していても、高い価値を生むことは難しいです。しかし誰も注目していないところに焦点をあてることができれば、企業独自の価値として認められる可能性が高いでしょう。

③心理的な価値によって差別化していること

これは、新製品の見た目ではなく、心理的なところで企業として選んでいただくということを意味します。例えば、動物愛護の考え方を最優先し、動物に犠牲を強いるようなことは絶対にしないと定めていると、同じような価値観の人の心理的な価値によって選んでいただけるようになります。

ブランドマーケティングの成功事例

あなたは男前豆腐と呼ばれるものをご存知ですか?マス広告をほとんど利用しないため、まだまだ知らない人が多いと思います。また、この豆腐は、国産大豆が100%使われているため、非常に美味しく豆腐好きの間では非常に有名です。取扱店舗は非常に少ないため簡単に手に入るものではありません。また、通常の豆腐と比べても豆腐とは思えない男らしいパッケージとサーフボードのような形をしたデザイン性がインターネット上で話題となり、2年で20億円もの売上を達成しています。

ブランドマーケティングは、どんな小さな企業でも考え方として利用できますので、今一度新製品の売り出し方について見直してみてはどうでしょうか。

優れたCX を実現する「顧客データ」活用のあり方を探る
  • fb-button
  • line-button
  • linkedin-button
TOP