BtoB企業で導入が進むデータ連携基盤の構築方法と選定ポイント

 2021.09.30  カスタマーデータ活用ポータル編集部

近年、BtoB企業におけるデータ連携基盤の活用が促進しています。多種多様なデータを連携して一元管理を実現させ、さまざまなビジネスに役立てるには連携基盤の構築が不可欠です。この記事では、データ連携基盤の具体的な構築方法を紹介するとともに、ツールを導入する際の選定ポイントについて解説します。

データ連携基盤とは

データ連携基盤とは、企業内に蓄積されたデータを連携してスムーズに活用するために必要な仕組みのことです。現在では、データ活用の重要性が高まっているため、社内データの管理業務において効率化を課題とする企業も少なくないでしょう。部門ごとで分断されているデータや手書きで記録されたなど、社内に点在しているデータを一元に管理できれば、業務の効率化に役立つはずです。

また、クラウドサービスを利用している場合も、社内システムとのデータ連携が進んでいなければ、そのメリットを最大に活かせません。このようなデータ管理の非効率を解決するには、データ連携基盤の導入が有用です。システムを新しく置き換える必要がなく、業務プロセスの変更も必要としないため、コストや時間をかけることなく効率的な仕組みに変更できます。このような理由からも、BtoB企業においてデータ連携基盤の導入が進んでいるのです。

BtoB企業でデータの活用が求められる理由

これまでBtoB企業において、BtoC企業と比較してデータの活用があまり重要とされてきませんでした。そのため、成功事例も多く見かけません。これは、BtoC企業と比べBtoB企業の多くでどのようなデータがどの形式で保管されているのかなど、把握の浅さが原因とされています。そのため、具体的に活用する方法が分かりにくく、データ活用に対して後れを取っていたのです。

売上を伸ばすために、MA(マーケティングオートメーションツール)の活用が重要だと考えているBtoB企業は多く存在します。しかし、マーケティングを自動化するだけでは何年経っても思うような効果は得られません。成果向上を目指すのであれば、目に見える数字以外に顧客体験価値にも目を向ける必要があります。

MAによる作業の自動化や目標達成率など、数字ばかりにとらわれているのでは、顧客が本当に求めるものを見逃しかねません。ユーザーの心理として、企業から一方的にメールや広告を押し付けられるより、ちょうどよいタイミングで欲しい情報を届けてくれる企業の方が、商品を試してみたい気持ちになりやすいのです。

適切なタイミングを知るには、顧客を理解することが不可欠です。近年では、消費者がインターネット上で情報収集を行うのがメインとなっており、ほとんどのユーザーが商品やサービスを購入する前にインターネットで検索する習慣があるといっても過言ではありません。ユーザーは、商品の必要性を実感したときに検索や資料請求といったアクションを起こします。

その変化を的確に把握してマーケティングを展開すれば、顧客体験価値の向上につながるはずです。このようなテクノロジーの進化や社会的要因による顧客体験価値の変化も、BtoB企業でデータ活用の重要性が高まった理由のひとつでしょう。

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データ連携基盤の構築方法

基盤を構築する際に採用できる開発方法やおすすめの導入ツールについていくつか紹介します。カスタマイズ性の高い独自のシステムの開発やツールの活用など、自社のニーズと目的に合わせて選択しましょう。

スクラッチ開発

既存のものをベースにせず、ゼロからシステム開発を行う手法をスクラッチ開発といいます。白紙の状態からシステムを構築するメリットとして、自社の業務に合わせたカスタマイズのしやすさが挙げられます。既存システムにはない新しい機能の追加や修正、追加開発も必要に応じてできるため、柔軟な対応が可能です。

多様な要求に応じられる反面、要求定義から開発工数など、多くの手間と費用がかかります。予算に余裕がないのであれば、スクラッチ開発の採用は困難でしょう。さらにITエンジニアが在籍していない場合には、新しく雇用する必要があります。スクラッチ開発が難しければ、ツールを採用する方法がおすすめです。

EAIツール

「企業内アプリケーション」の意味を持つEAI(Enterprise Application Integration)ツールは、異なるシステム同士を連携する仕組みを持ったソフトウェアです。孤立した状態で完結しているシステム同士の連携に特化しており、データやアプリの仲介機能やデータ形式の変換機能、データの振り分け機能を搭載しています。

このツールを導入するだけでデータ連携が可能になるため、システム開発のノウハウを持たない企業に多く導入されています。開発コストの削減とデータ連携の際に生じるエラー削減にも有用なツールです。

ETLツール

異なるシステムごとで蓄積されたデータを抽出して加工し、DWHへ集約することを目的としたシステムです。データの抽出(Extract)・変換(Transform)・格納(Load)の頭文字を取り、ETLツールと呼ばれています。散在したデータの形式や文字コードを変換して1箇所にまとめ、バッチ処理を実行に優れているため、蓄積した膨大なデータを持つ企業やビッグデータを扱う企業に向いています。

データを一定の基準で整理することから、データベース化を目的として活用されることも多いツールです。最近では、データ連携基盤として導入される事例も増えているようです。

データ連携基盤の選定ポイント

データ連携基盤の導入を検討する際は、どのような基準で選定すればよいのでしょうか。独自開発とツール導入それぞれの観点から、押さえておきたいポイントについて解説します。

独自開発かツールを導入するか

上述したように、データ連携基盤を構築する手法は2つあります。まずは、スクラッチ開発(独自開発)かツールを導入するかを検討しましょう。

自社に優秀なIT技術者が在籍しているのなら、スクラッチ開発の方が自社業務と相性のよい基盤が構築できます。自由度の高さが魅力ですが、トラブルが発生した場合には、ファイル転送やデータ圧縮、分散ファイルといったシステムごとで相談先が異なるため、対処の遅延を招く恐れもあります。

ツールを導入する場合のメリットは、専門家の意見やノウハウを参考にしながら最適なデータ連携基盤が構築できる点です。また、問題が発生した際は、サポートサービスによっても迅速な対処が望めます。スクラッチ開発に比べて柔軟性が落ちる点や、自社完結できない部分がデメリットとして挙げられます。

使いこなせるか否か

機能の多さや性能の高さを基準にデータ連携基盤を導入しても、社内で誰も使いこなせないようでは意味がありません。データ連携基盤ツールは、専門知識がなくても使いやすい設計になっている場合がほとんどですが、ある程度のITリテラシーは求められます。そのため、担当者が問題なく使いこなせるかどうか事前に確認してから導入するようにしましょう。無料トライアル版を用意しているツールも多いため、まずは実際に、いろいろ触れてみてから検討するのもおすすめです。

「SAP Customer Experience」でデータ連携基盤を構築

次世代クラウド型のCRMソフトウェア「SAP Customer Experience」は、SAP社が提供するサービスです。見込み顧客の獲得から優良顧客の育成まで、マーケティングプロセスの効率化に貢献します。異なる部門同士でデータを連携させ、顧客データの一元管理と共有のスムーズな実行により、根拠あるマーケティング戦略を策定するのに有用です。

「SAP Customer Experience」にパッケージされる5つのアプリケーションは、いずれも30日間の無料トライアルを用意しています。サービスの1つである「SAP Commerce Cloud」は、販売プロセスを自動化する3つの機能を搭載しており、BtoB・BtoC問わずさまざまな販売形態に対応しているのが特徴です。顧客の全体像が把握できるため、適切に購買行動を促すのにも役立ちます。

ツールを導入したデータ連携基盤の構築は、スクラッチ開発に比べてコストを大幅に抑えられる手法です。業務の効率化と顧客ごとにパーソナライズされたサービスの提供を目指して、ぜひ導入を検討してみてください。

まとめ

BtoB企業においてデータ活用の重要性が高まるにつれ、顧客理解や顧客満足度の向上、売上アップなどを目的としたデータ連携基盤の導入が推し進められています。スクラッチ開発による連携基盤の構築は柔軟性の高さが魅力ですが、自社のITリソースに不安がある場合には、サポートの充実したツールを導入する方法がおすすめです。

企業のニーズや目的に合わせたツールを選択するのはもちろん、担当者が使いやすいかどうかにも重点を置く必要があります。データ連携基盤の導入を成功させて、業務効率化と成果向上を実現させましょう。


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