コンテンツマーケティングは時代とともに変化、ベストな選択は?

 2022.04.05  2022.04.21

「コンテンツマーケティング」という言葉は定着していますが、その姿は変化していっています。Webが2.0、3.0といったように世代交代しているのと同じく、コンテンツマーケティングにもこうした進化があります。この記事ではコンテンツマーケティングの各世代を紹介し、その取り組みに関するベストプラクティスを解説していきます。

コンテンツマーケティングの各世代

コンテンツマーケティングは、四つの世代に分類されています。それぞれについて解説していきましょう。

コンテンツマーケティング1.0

コンテンツマーケティングの始まり。どういったものもそうですが、最初は非常に原始的です。Web1.0とされるインターネット初期のWebサイト(当時はホームページという呼ばれ方が主流でした)も、まさにそうでした。

コンテンツマーケティング1.0の場合は、現在のものとはまるで違って見えます。なぜならそれは、紙の雑誌だったからです。これに疑問を持つ方も多いでしょうが、本来のコンテンツマーケティングは手法やメディアを分けていません。現在も紙による冊子やDMは、コンテンツマーケティングのひとつの手法です。

本題のコンテンツマーケティング1.0に戻りましょう。具体的なものは、ある農業機器メーカーが発行した雑誌とされています。農業機器メーカーですから、対象は農家です。内容としては「(農家にとって)必要な情報の提供」。これは現在のコンテンツマーケティングと共通するものです。

  • ターゲットを明確にする。
  • そこに向けて、役に立つ情報を提供する。

これらは現在にも通じる、二大ポイントです。

もっともこの農業機器メーカーの雑誌の発行は1895年で、その頃にコンテンツマーケティング1.0という言葉が使われていたわけではありません。この言葉の出現は1990年代の後半です。

雑誌の時代ではなく、デジタルを含めた情報が無料で提供されるものであり、あらゆる試行錯誤が繰り返されていたことをコンテンツマーケティング1.0としている場合もあります。1990年代であることから、インターネット(ここでの冒頭に紹介したホームページと呼ばれたWebサイト)は、そのひとつだったといえるでしょう。

コンテンツマーケティング2.0

コンテンツマーケティング2.0は、手法や時代がいっきに飛びます。インターネットはもちろん、SNSもこれに含まれます。インターネットを通じた情報の収集とみずからの発信、つまりデジタルマーケティングを利用したコンテンツマーケティングです。次のポイントがあります。

  • (インターネット上で)良いコンテンツを作る。
  • そうしたコンテンツを、ユーザーに見つけてもらう。

よく知られる、コンテンツマーケティングの概念です。デジタルにおけるコンテンツマーケティングのもっとも有名な成功事例も、この時期に生まれました。River Pools and Spasという、アメリカのプールの会社です。ターゲットとなるユーザー(この場合は自宅にプールを持ちたいと思うユーザー)に対して、役に立つ記事コンテンツを提供するという形です。これだけだとコンテンツマーケティング1.0の考え方がデジタルに移行しただけのようですが、River Pools and Spasが優れた成功事例となったのは、「顧客の検討段階に応じて、必要なコンテンツを提供する」ことをおこなったからです。

マーケティングの三つの原則は、「適切な人に」「適切な内容を」「適切なタイミングで」提供することです。三番目のタイミングを考慮した施策がデジタル技術を使い可能になったのは、大きなポイントです。さらに「適切なタイミングで、情報の提供から自社商品のPRへ」ということが含まれるため、単なる情報提供ではない、売るためのコンテンツマーケティングへと進化しているのが重要な点です。

またこの時期のデジタル全般の進化といった点も、見逃せません。
コンテンツマーケティングにおいて、ユーザーに見つけてもらうことは重要ですが、これが可能になったのはGoogle検索のアルゴリズムが飛躍的に進歩したからです。クエリに応じてユーザーに適切な情報を返せる形になったのは、まさにこの頃でした。

テクノロジーだけでなく、Web上のさまざまな変化も影響しています。先ほどSNSについては触れましたが、ブログなど個人が発信するメディアも爆発的に増加しました。

記事以外にインフォグラフィックなど、Webコンテンツも魅力的な表現が増えていきました。動画コンテンツが広がってきたのも、この頃です。

コンテンツマーケティング3.0

コンテンツマーケティング3.0に入る前に、このタイミングで起きた重要な変化について触れておく必要があります。「コンテンツショック」と呼ばれるものです。その前段階として、「コンテンツマーケティングは死んだ」という衝撃的な記事が出たうえで、コンテンツショックにより理論的な説明と、実際のマーケティングに対する影響が語られるようになりました。

具体的にはコンテンツマーケティングの広がりとともに、コンテンツの供給量が、ユーザーの消費する量を大きく上回るようになっていくということです。これにより「資金力がある所が優位に立つ」「新規参入が困難になる」「費用対効果が悪くなる」、といった影響が指摘されました。これらはコンテンツマーケティング2.0の代表例で見た、River Pools and Spasのような成功が成り立たなくなるというのを意味しています。またコンテンツマーケティングは広告などに頼らない手法ということで注目されましたが、コンテンツショックでは「広告やプロモーションが重要になってくる」と指摘されました。

この点こそがまさに、コンテンツマーケティング3.0の出発点です。広告に頼らない、広告を嫌う風潮から注目されるようになったコンテンツマーケティングが、集客をするために広告やプロモーションといったことを必要とするようになったのです。

ただしコンテンツマーケティング3.0は、ネガティブなものでも単なる集客手法の変化でもありません。「コンテンツマーケティングがマーケティングコミュニケーションの中核をなす」「そこにユーザーを集める手段として広告も必要」という形こそが、コンテンツマーケティング3.0の意味するところです。

コンテンツマーケティング4.0

コンテンツマーケティング4.0は、次の考えのうえに成り立っています。
「まずは人を集める。それから商品を作ったり、販売をおこなうなどをしていく」

わかりやすいように、従来のコンテンツマーケティングの基本を考えてみましょう。「商品やサービスを販売するため」の手法のひとつとして、コンテンツマーケティングは注目されました。直接の購入には結びつかなくても「認知をあげる」といった目標が設定され、それは商品やサービスの販売につながっていきます。

コンテンツマーケティング4.0はそうではなく、まず人を集め、その後に売るものを開発したり販売チャネルとしての機能を持たせる、としています。

つまり企業が有益なメディアをつくり、そこに集客したオーディエンスを資産とする形です。このメディアそのもので収益をあげるようにできるのが理想的、ともされています。

主流になるデータプライバシー カスタマーエクスペリエンスの思いもよらない機会
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昨今の実感とともに

前章でコンテンツマーケティングの四つの世代を見てきましたが、多くの方がコンテンツマーケティングと認識しているのが、2.0ではないでしょうか。つまり「良いコンテンツをつくり、見つけてもらう」というやり方です。筆者が実際に見ている中でも、大半はこの考えで動いているようです。

そのため集客手法は主にSEOです。その中でコンテンツマーケティングに積極的な企業はSNSの活用、キュレーションサイトへのフィードといった取り組みもしています。しかしそれではなかなかうまくいかず、コンテンツマーケティングから撤退したり、続けている場合もKPIは認知度アップ(≒アクセス数)にしているといったケースが多くなっています。

ちなみにほとんどのマーケティング手法は海外で盛り上がりを見せ、その数年後に日本で広がっていくという流れが一般的ですが、コンテンツマーケティングもまさにその形でした。ですからマーケティング3.0で触れたコンテンツショックは、日本でコンテンツマーケティングが盛り上がりを見せているタイミングで既に発表されていました。筆者は当時コンテンツマーケティングのメリットに関する説明を受けながら、同時にコンテンツショックというネガティブな傾向についても説明を受けるという、矛盾するような体験をしたものです。

裏を返すとコンテンツマーケティングのトレンドに合わせたメリット、デメリットは日本に入ってきたタイミングで明らかになっていたのです。そのためコンテンツに広告やプロモーションが必要というコンテンツマーケティング3.0のやり方も意識されれば良かったのですが、こちらはあまり浸透しませんでした。ひとつは「広告が効かなくなってきた。それに代わる手法としてコンテンツマーケティング」という説明がされたからでしょう。またコンテンツマーケティング3.0の本質は、コンテンツをコミュニケーションの核にするというコンセプトの考え方なので、「コンテンツを作って、SEOで集客する」といった手法にだけ反応していた日本では、イメージしにくかったのも仕方がないでしょう。

実務において、コンテンツショックを認識しておくのは重要です。これを理解していれば、コンテンツマーケティングが自社に有効な手段かどうかの判断基準にもなるからです。

また現段階のコンテンツマーケティングの最終進化版は4.0ですが、これを取り入れるのはなかなか困難です。きちんとしたメディアをつくりあげながら、オーディエンスを集めるというのは根気のいる仕事です。さらに商品やサービスに対する向き不向き、費用対効果が合うあわないといった問題も出てくるでしょう。新しいものに必ずしも合わせる必要はないので、実態に沿った取り組みをしていくのがベストです。多くの企業に合う段階は、筆者はコンテンツマーケティング3.0と考えています。コンテンツマーケティング4.0はD2Cなどにおいて、可能性を感じる方法に思えます。

HubSpotが提唱するインバウンドマーケティングも、広告の活用に積極的です。また集客手法についても、もともとSEOだけを考慮したものではなく、コンテンツマーケティングを含むより幅広い手法があります。インバウンド手法、HubSpotの生かし方について興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

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