国内でも一般化されたコンテンツマーケティング。今では企業ブログ(オウンドメディア)の運営などは“やっていて当たり前”という認識が強くなっているでしょう。
しかし株式会社ジャストシステムが2015年に行った調査によると、オウンドメディアを運営しているのは全体の13.3%と思ったよりも低い結果です。
出典:PRTIMESウェブサイト マーケッターに聞く!オウンドメディア活用実態調査2015
この結果を見ると一部のコンテンツマーケティングで成果を上げている企業やその成果に気づいた企業では盛り上がっているが、その他の企業の認識が追い付いていない”といったところでしょうか。
特に中堅・中小企業におけるコンテンツマーケティングの取り組みは遅れています。中堅・中小企業こそコンテンツマーケティングは有効な施策の一つではあるのですが。
そこで今回は、コンテンツマーケティングとは何か?実践する効果は?など、コンテンツマーケティングについて改めて解説していきます。
コンテンツマーケティングとは?
冒頭ではオウンドメディアに関する情報を紹介しましたが、「コンテンツマーケティング=オウンドメディア」ではないのでご注意ください。
コンテンツマーケティングとは特定のコンテンツに縛られず、ユーザーのニーズを理解し、適切な情報を提供していくことで関係性を維持し、最終的には利益に繋げていくためのマーケティングです。
コンテンツマーケティングの構成
コンテンツマーケティングを構成する要素として“コンテンツ”はやはり最も重要なものです。ブログコンテンツやソーシャルメディアコンテンツ、動画、Eブック、インフォグラフィックなど様々ありますが、大切なことは目的に沿ったコンテンツ選びをすることでしょう。
時には一つのコンテンツに絞らず複数のコンテンツを組み合わせてユーザーに理解を深めてもらうことも重要です。
そして次に“コンテンツ媒体”。コンテンツマーケティングと聞くとブログサイトをイメージしがちですが、ブログサイトは最低限の必須項目と言えるでしょう。YoutubeやInstagram、Facebookなどのソーシャルはもちろんのこと、SlideShare、時には、フリーペーパーなども強力なコンテンツマーケティングの媒体です。これも目的に沿って展開していくことが重要になります。
また、コンテンツマーケティングは基本的に長期目線で実践するマーケティングですので“運用チーム”という要素もかかせません。HubSpot社のイベントで「Marketer=Publisher」と大画面に映し出されている通りです。つまり、大袈裟かもしれませんが雑誌の編集部のような体制が望ましいでしょう。もちろんほとんどの企業では、コンテンツマーケティングを始めるにあたりそのようなしっかりとした体制を組むことはありませんが、最低限1人から数人はそれに集中するべきでしょう。
そして最後に“ユーザー”です。当然のことながらユーザーがいなければ成り立ちませので、ユーザーを意識してマーケティングを展開するという意味で欠かせない要素です。企業が想定する理想的な顧客像であるペルソナを関係者で策定し、そのペルソナに準じたコンテンツを提供していくことになります。ペルソナに関しては「ペルソナの作り方とその実例」で作り方などをご紹介していますのでご確認ください。
コンテンツマーケティングの効果
ビジネスにおいて求められるものは常に“成果”ですので、コンテンツマーケティングにどのような効果があるのか?というのは非常に重要なポイントです。
ここではコンテンツマーケティングで得られる具体的な効果を、リードプラスの事例と共に紹介していきます。
売上の80%をインバウンドマーケティングから獲得/NetSuite
効果 “売上の80%をオウンドメディアから獲得しました。”
外資系企業であるNetSuiteはクラウドERPを提供するNo.1クラウドERPベンダーです。オウンドメディアの運営を開始してから約5年ですが、今では売上の大半をオウンドメディアから獲得しています。数百万円から数千万円規模の商材においてもコンテンツマーケティングが有効な事例としてリードプラスでは注目しています。
リード獲得件数、オポチュニティ金額/件数、マーケティングからの売上/件数などのKPIを四半期ごとの細かくチェックする同社において、コンテンツマーケティングは、今ではなくてはならない存在になっています。
リード獲得件数を向上/Intelligent Model
効果 “開始1ヶ月でリード件数が1,000%以上改善しました。”
事業に関わるブログコンテンツ配信を行うことは、検索エンジンという強力なWebサービスを味方につけ、認知拡大に強い効果を発揮します。同社ではホームページをリニューアルしブログを開始しました。たった24件のブログの投稿でリード獲得件数が1,000%上昇するだけでなく、カットオーバーから9ヶ月アクセス数が24倍になりました。
ブログコンテンツがユーザーのニーズと合致すれば、リード獲得件数を確実に上げていくことができるのです。
16%の顧客化率と初年度ROI420%を達成/Microsoft
効果 質の高いリード獲得でクラウドサービス販売に貢献”
コンテンツマーケティングは従来のマスマーケティングと違い、ユーザーに見つけてもらうことから始まります。つまりコンテンツにたどり着くユーザーは最初からある程度のニーズがあるので、質が高く販売に繋げやすいという特徴があります。
マイクロソフト社ではリードプラスのサービスを活用しコンテンツマーケティングを実践しています。今では、コンバージョンしたユーザーの16%が購入に至るまでになっており、初年度420%のROIを達成しました。コンテンツマーケティングが売上に貢献するエンジンとして活躍しています。
上記2つ以外にもコンテンツマーケティングの効果は多数あります。
例えば顧客のロイヤリティを高めリピート率を上昇させたり、コンテンツがシェアされて通常以上の拡散力が生まれたりなど、企業にとってプラスになる効果が非常に多いのです。
コンテンツマーケティングを実践するには
ではコンテンツマーケティングを実践していく上でのステップを簡単に紹介していきます。
目的を決める
様々な効果を持つコンテンツマーケティングですが、目的によってコンテンツの種類や戦略が変化します。
従ってまずは“何のためのコンテンツマーケティングなのか?”と目的を決める必要があります。
例としては売上への貢献、顧客ロイヤルティの向上、リード獲得、リードの質向上、エンゲージメントの増加などです。
ペルソナ設計
ペルソナとはコンテンツマーケティングを行う上で、ターゲットとするユーザー像のことです。通常のターゲットと違うのは“かなり詳細に”ユーザー像を設計することでしょう。
このペルソナを中心に据えることで何を?どのタイミングで?求めているのか、そしてどのような反応をするのかということを意識してコンテンツ制作に臨むことができます。
コンテンツ設計
ぺルソナ作成が完了すればそれをもとにコンテンツを設計していきます。コンテンツを設計するためにはカスタマージャーニーを作成します。大切なのは目的に沿ったコンテンツ配信ですので、何が一番効果的なのか?何がユーザーの満足度を高めるのかを十分に理解した上で設計していきましょう。
定期的な配信体制を整える
コンテンツマーケティングとは長期目線でのマーケティング手法です。すなわち、短期的には効果が出づらいという意味でもあります。
前述したケースもありますが、あくまで一部ですので定期的にコンテンツを配信する体制が重要です。
「効果が出なかったから」とコンテンツマーケティングをすぐに諦めてしまう企業もありますが、正しく展開していけば確実に成果は出ます。
また、最近ではグロースドリブンデザインを取り入れ今までよりも短期的に効果を出すケースも多いので、以前よりは効果が出るまでの期間が短縮されています。
KPIを定める
KPI(Key Performance Indicator)とは「重要評価指標」と言って、目標に対してきちんと前進しているかを評価するための指標です。
コンテンツマーケティングは長期的に展開するマーケティングだからこそ、少しのズレが後々大きな問題になります。
そこでいくつかのKPIを設定しておけば常にコンテンツマーケティングを評価、一貫したマーケティングを展開することが可能です。また、コンテンツマーケティングの効果をより高めていくこともできます。
コンテンツマーケティング成功に重要なこと
最後に知っておいていただきたいことは、コンテンツマーケティング成功において重要なことは“根気”ということです。
これは根性論の話ではなく、前述したように長期目線でのマーケティングですので、どうしても定期的なコンテンツ投入とPDCAサイクルを回していくことが必要になってきます。アウトバウンドマーケティングと違い、展開されたコンテンツの全ては自社の資産になります。上昇トレンドに転じた場合の威力は凄まじいものがあるのがコンテンツマーケティングの旨味と言えるでしょう。
他にはブログサイトにしてもソーシャルメディアにしても、やはり正しい運用が欠かませんので、コンテンツマーマーケティングのプロに依頼するというのも重要でしょう。
まとめ
いかがでしょうか?本記事で、少しでも多くの方にコンテンツマーケティングについて理解していただければ幸いです。
今回は大まかに解説しましたがコンテンツマーケティングとは奥深く、知っていただきたいことは他にもたくさんあります。
リードプラスブログではコンテンツマーケティングについて多くの情報を掲載していますので、興味を持った方はぜひブログ購読をお願いします!
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