行動データを活用しよう!

 2020.03.29  カスタマーデータ活用ポータル編集部

日進月歩で技術が発展しているアドテクノロジー分野。最近では「行動データ」を活用したデジタルマーケティングが注目を集めています。

そもそも行動データとは何か?これは、スマートフォンの普及によって収集可能になったGPS位置情報、あるいは自社Webサイトだけでなくインターネット全体でユーザーがどういった行動を取っているかという回遊情報などが該当します。リアルだったりデジタルだったり、行動データは多種多様ということです。

今回はこの行動データの活用についてお話します。

行動データの重要性とは?

スマートフォンやSNSが普及する以前のマーケティングは「マスマーケティング→Web検索→購入」といったシンプルなものでした。テレビCM等を活用して認知度を拡大したり、ブランドイメージを向上すればユーザーの次のアクションはインターネット上で商品を検索し、そのまま購入するといったプロセスだったのです。

しかし、スマートフォンやSNSが普及したことでそのプロセスに友人や知人、あるいは第三者の口コミが介入することになり、購入までのプロセスが劇的に複雑化しています。そのため単なる認知拡大やブランドイメージ向上といったマーケティングでは売れない商材が多くなりました。

ただしその反面として行動データの収集が可能な時代に突入します。スマートフォンから取得するGPS位置情報や、SNS上で個人が投稿したコンテンツなどはすべて行動データとして収集可能であり、この行動データを活用することで複雑化した購入プロセスも解明でき、かつ従来よりも精巧なマーケティング施策を展開できます。

行動データの分析によってユーザーの購入プロセスを明らかにすることで、潜在顧客から見込顧客、見込顧客から新規顧客、新規顧客から優良顧客へと継続的な施策で自社収益の最大化を狙うことが可能です。

そのため、行動データの取り扱いはデジタルマーケティングを展開する企業にとって欠かせないものとなっています。

行動データはどうやって収集するのか?

では、そこまで重要な行動データはどうやって収集するのでしょうか?収集方法は様々であり一般的なものはWebサイトに訪問したユーザーのCookie(クッキー)情報を活用するというものです。Cookie情報とはWebサイト上での訪問回数やIDなどを一時的に保存する仕組みで、たとえば「一度ログインしたユーザーが別のWebサイトに遷移してもログイン状態を保つ」といった機能で活用される技術です。

Cookie情報はWebサイトを訪問した時点でユーザーが使用するブラウザ上に保存され、Webアプリケーション側がそれを読み取ることで様々なサービスを提供できます。つまり、Cookie情報とはユーザーにとって快適なサービスを提供するための技術である反面、それまでユーザーが取った行動を記録する技術でもあります。

このCookie情報を活用すれば自社Webサイトを訪問したユーザーが、これまでにどのWebサイトを訪問したか、その後どのWebサイトを訪問するかという情報を収集することは容易です。ユーザーのIPアドレスにその情報を紐づければ、特定のユーザーがどんな行動を取っているかが手に取るようにわかります。もちろん、ユーザーの個人情報が特定されない範囲での話です。

SNSでのコンテンツ投稿も立派な行動データでしょう。そのユーザーがSNS上でどんな言動をしているかという情報を収集すれば、ユーザーの興味関心や今持つ課題などを把握することも可能です。

リアルな行動データでいえばGPS位置情報が該当します。皆さんはスマートフォンで何かアプリケーションを利用する際に「位置情報を送信してもよろしいでしょうか?」という許可申請に対して「OK」をクリックしたことがあるかと思います。こうした位置情報は企業側で収集され、行動データとして様々な分野に活用されています。

たとえばスマートフォンアプリケーションのGoogleマップが提供するナビ機能を使用すると、Google側にGPS位置情報が蓄積されていきます。Googleはこの情報を活用して自動運転車の精度を高めたり、ユーザーが目的地に到達するために最も効率良いルートを探すといった機能に活用しているわけです。

行動データが重要なのはデジタルマーケティングだけではなく、今では人工知能(AI)といった研究分野でも重要視されています。

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行動データはどう活用すべきか

行動データの活用方法としてはデジタルマーケティングへ活かすだけでなく、今まで隠れていた新しい知見を発見するためにも多く活用されています。

たとえばとある化粧品会社では「美白」に関するSNS上での投稿を1年分収集したところ、それまでターゲットとして想定していた年代よりも大幅に下回る年代もターゲットとして想定できる、ということが判明しています。とある金融会社では「比較サイトを訪問後に自社Webサイトを訪れたユーザーは契約に至っていない」という事実が判明しました。

このように行動データが表すことは実に多様であり、従来のデータ収集やマスマーケティングでは到底知ることができなかった新しい知見を発見できます。

上記の他にもこんな活用事例があります。糖質〇%オフなどの健康機能性を売りにしたビールを販売する飲料会社では、行動データを使ってどういったユーザーが自社商品を購入しているかを調査しました。その結果、最も購入率が高いのは「健康意識が高い人」で想定通りでしたが、2番目に購入率が高いのは「こってり料理が好きな人」だったのです。

これは、健康機能性を売りにしていることで自然とビールの味がスッキリするため、こってり料理に合うという理由から購入していると考えられます。この飲料会社がターゲットとして想定していたのは健康意識が高い人ですから、まさかその正反対の人が自社商品を購入しているとは考えてもいなかったでしょう。これは行動データを活用して今まで発見できなかった新しい知見を導き出したという事例です。

行動データ活用では以上のような「顧客探索」を可能にし、単なるデジタルマーケティングの効果最大化で終わらないのが特徴です。

行動データを活用する際の留意点

デジタルマーケティングにとって新しい知見を見出せる行動データにも留意点があります。それが、行動データから読み取れることはあくまで「推測」でしかないことと、次のアクションを決めるのが難しいということです。

たとえば前述した飲料会社の事例の場合、「こってり料理が好きな人」はスッキリとした味わいの健康機能性ビールを好むというのはあくまで推測です。もしかしたら単純に「こってり料理を食べるからビールで健康バランスを」と考えているかもしれません。行動データによって得た知見は様々な角度からその理由を考えることが可能なので、論理的に、何が一番正しいかを見極める必要があります。

さらに、そうして見出した知見を利用することで「ユーザーにどういったアクションを起こさせるか?」という施策も難しいところです。どういった戦略でマーケティングを展開することがベストなのか?この将来的な見通しのスキルを持った人材こそが、行動データを最大限活用できます。

皆さんも行動データを活用する際は、これらの留意点を念頭に置いておきましょう。


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