「社内にはデータが溢れているけれど、分析には活用できていない」という企業は多いのではないでしょうか。ビッグデータとなった今の時代、企業が正しく意思決定を下すためにはデータ分析が欠かせません。
データ分析は専門的で難しい印象がありますが、今ではさまざまなツールが出ています。この記事ではデータ分析の導入を検討している企業に向けて、分析で必要なプロセスとおすすめのツールをご紹介します。
なぜデータ分析が必要なのか
そもそも、なぜデータを分析する必要があるのでしょうか。その目的と必要性について見ていきましょう。
データ分析を行う目的
企業がデータ分析を行う最大の目的は、「スムーズで的確な意思決定を下すため」です。今では顧客データに限らず、SEO分析や購入行動の分析など、データをもとにあらゆる分析ができるようになりました。
IoT時代となりビッグデータと呼ばれる膨大なデータが日々生まれ、その扱いに悩む企業は少なくありません。データは適切に整理して分析することで、ビジネスに大きな利益をもたらします。
データドリブンで正しい意思決定ができる
データ分析が主流ではなかった時代は、経営層の「勘」や「経験」で判断を下す企業が多くありました。もちろん経験に基づく勘が当たることもありますが、確度が高いとは言い切れません。
あらゆるデータが手に入るようになった今、求められるものはデータから正しい意思決定を下す力です。データドリブンで市場や顧客を正しく分析できれば、個人の感情や感覚に影響されることもありません。
データ分析を行うプロセス
データ分析ではツールや用意するデータにばかり意識が向きがちですが、もっとも大切なものは「プロセス」です。データ分析で必要なプロセスを見ていきましょう。
目的を設定する
データの分析といっても、何を分析するかは企業によって違います。今ではAIを搭載したデータ分析ツールも多く出ていますが、どんなに高価なツールを導入しても、目的が明確でなければ有益な分析は行えません。
せっかくコストをかけてデータ分析を行うなら、そのコストに見合った成果は出したいものです。
しかし、最初から明確な目的が存在しない場合もあります。そんな時は、「最近売り上げが下がっている」「問い合わせが減っている」など漠然としたものでも構いません。まずはデータ分析で知りたい事を決めておきましょう。
データ分析には、仮説を立ててデータで検証を行う「仮説検証型」と、データありきで分析を行う「仮説検証型」の2種類に分かれます。企業がデータを分析する際は、目的や仮説を持ったデータ分析が必要なのです。
分析課題の設定
目的設定ではデータ分析で「したいこと」を明確にして、分析課題では「何を知りたいのか」を明らかにします。
データ分析では目的や課題が必要とご紹介しましたが、この課題とは「仮説」と捉えて構いません。仮説を作ってデータで立証することで、より効果的な結果を期待できるのです。
仮説と言っても複雑に考える必要はありません。例えば売り上げが下がったことに悩んでいる場合、担当者それぞれが「もしかすると、○○が原因ではないか?」と何らかの原因を予想しているのなら、それが課題となります。
課題が多い場合は優先順位をつけ、データを分析しながら優先順位に沿って検証を行っていきます。
データを整理する
すでに形式が統一されたデータがあれば理想的ですが、社内に点在しているデータは形式がバラバラで、質が良くないこともあります。まずは重複を排除したり形式を統一したりして、データを分析できる状態に整える「データクレンジング」を行います。
データを整理するプロセスでは、すでに目的や課題は定義されているはずです。目的や課題を分析するために足りないデータがあれば、このデータクレンジングの時点で必要なデータを収集しておきましょう。
実は複数のプロセスがある中で、このデータクレンジング作業は最も時間がかります。データサイエンティストを対象とした調査では、実に53%もの人が「データの前処理に最も時間を割いた」と回答していました。
参照:総務省 「ICTスキル総合習得教材 P.17 データクレンジングの負担」より
もしデータ収集にコストや時間が膨大にかかるなら、クラウドソーシングなどで外注する方法もあります。
データの可視化
簡単に言えば、データをグラフ化したり見える化したりすることです。数値データを一目でわかる形に整理すれば全体像を把握でき、傾向を大まかにでも掴むことができます。また、可視化すると一目でデータの傾向がわかるので、社内でも効率的に共有できるでしょう。
本格的なデータ分析を行う前に可視化することで、新たな気づきを得ることもできます。データ分析では、仮説を立てて気づきを得るというサイクルがとても重要です。このサイクルを繰り返すことで仮説が確信へと変わり、企業が取るべき次の一手を発見することにつながります。
場合によっては、データ分析ツールを使う前にある程度の知見を得ることもできます。
本格的なデータ分析
可視化である程度気づきを得たら、いよいよ本格的にデータを分析します。分析結果が出たら、正確なものか評価しましょう。前のプロセスで行ったデータの可視化と比較して、大幅なずれがないか見るのも評価の方法です。
本格的なデータ分析の結果、自分の予想と大きく外れることもあります。そんな時は主観的な視点から一旦外れ、導き出されたデータを冷静に判断しなくてはいけません。
「顧客分析とは?」の記事でクラウド種類について詳しくご覧くださいませ。
データ分析におすすめのツール2選
最後に、データ分析におすすめの2つのツールをご紹介します。
Google Data Studio
Googleが提供しているデータ分析ツールで、「BI」と呼ばれるシステムの1つですです。BIとは「ビジネス・インテリジェンス」のことで、企業が持つ膨大なデータを分析するツールのことをいいます。
Googleが提供しているサービスなので、やはりアナリティクスやサーチコンソールといったSEOデータの分析に向いています。Excelでまとめたデータもアップロード可能ですし、分析した結果はグラフ化による可視化ができます。
さらに分析結果はレポート形式で共有できるので、社内での共有もスムーズにできるでしょう。全員と共有したくない場合は、設定変更も可能です。
ログインは「こちら」
Looker
Google Data Studioと同じBIツールのLookerは、Googleが買収したことで有名になりました。高度なデータ分析を取り入れたツールであり、すでに海外でも1,800以上の企業が導入しています。
Lookerはツール自体にデータを保持しないので、まず機密性が保たれます。外部のDBを使うことを前提としていて、Microsoft SQL ServerやOracleといったDBとの連携も可能です。
参照:「Looker公式サイト」
まとめ
データ分析に必要なプロセスと、おすすめのツールをご紹介しました。「データ分析」と聞くと難しい印象ですが、大事なものは高度なテクニックやツールよりも、目的やそのプロセスです。今回ご紹介したようなプロセスをたどれば、企業にとって有益な分析結果を得られるでしょう。
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