消費財(CPG)メーカーの課題を解消するECサイトとOMOについて

 2021.10.29  カスタマーデータ活用ポータル編集部

ネット通販やキャッシュレス決済といったeコマースは、消費活動と切っても切り離せない存在となりました。しかし、消費財業界では、まだまだ小売店での販売が主流です。そろそろ今後の販路拡大や売上向上を目的としたITの活用を考えるべきではないでしょうか。そこで、本記事ではメーカーが抱える課題や具体的な施策について紹介します。

消費財(CPG)メーカーが抱える課題

ティッシュペーパーや洗剤、衛生用品などを生産する消費財メーカーは長年、テレビなどのマスメディアで広告を打ち、ドラッグストアやスーパーといった小売店で販売するプロセスが一般的なビジネスモデルでした。しかし、ネット通販や小売店を挟まず直接消費者と取り引きするD2Cなどが台頭するにつれて、従来の販売方法が抱える課題も浮き彫りになってきました。まずは、現在の消費財メーカーが抱えている課題を解説していきます。

店舗の最適化

現在、消費財販売の多くを担っているのが、ドラッグストアやスーパーといった小売店舗です。メーカーは店舗向けのマーケティングに多額の投資をしていますが、既存の商習慣との兼ね合いもあり、投資に見合った結果が得られていないのが現状です。

今後はAIなども活用しながら、消費者のニーズを適切に把握し、入荷量の調整や売り場づくりに反映するなど、店舗の最適化が課題になっています。

DXの実現

コロナ禍でネット通販を利用する人が増えたこともあり、消費財メーカーもIT技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入を検討する時期にきています。DXで実現すべき内容は、ただインターネットで商品を販売することだけではありません。商品開発からマーケティング、アフターサポートまで既存のシステムを見直し、可能な限りデジタル化していく大胆な改革が求められています。

顧客の変化

顧客のニーズも昔と比べると変化しています。以前はメーカーのブランド価値で消費財を選ぶ人が多かったのに対して、メーカーよりも小売店のブランドや価格で選ぶ人が増えています。
また、消費者の志向も「モノ重視」から「体験重視」に変化している点も重要です。 IT技術で膨大な顧客データを管理できる現在、商品をパーソナライズし、より顧客一人ひとりのニーズに合わせた商品の開発が重要になってくるでしょう。

小売業のデジタル変革

現状の店舗は物を売ることが中心で、消費者がどのようなものを求めているのか、適切に把握するのは難しい環境にあります。そこで期待されているのが、IoTやAIを駆使した小売業のデジタル改革です。

これまで人間がアナログで行っていた作業をデジタル化することで時間を短縮し、その分接客に力を入れれば、より消費者の購買動向を把握しやすくなります。そうして得た情報をデータ化し分析することによって、従来よりも購買意欲を高める売り場づくりが期待できるでしょう。

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課題を解消する消費財メーカーのデジタル施策

先ほど述べた課題を見ると、これからの消費財業界の成功を握る鍵がDXにあることが分かります。では具体的に、現在メーカーはどのようなデジタル施策を行っているのでしょうか。主なものを3つご紹介します。

D2Cサイト

デジタル施策として、多くのメーカーが「D2Cサイト」に注目しています。D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、広告代理店や小売店を介さず、メーカーと消費者が直接商取引を行う取り引き形態を言います。具体的には、メーカーが自社のECサイトやSNSで商品を直接販売する手法が該当します。

D2Cサイトのメリットは、通販サイトを介さないため収益性が高く、アクセス数や滞在時間といった顧客情報を集めやすい点です。顧客が今どんな商品を求めているかが分かれば、適切なセールス活動だけでなく、新商品の開発にも役立ちます。

また、売り方の自由度が高いのも特徴の一つです。メーカーのECサイトでは、商品を羅列するだけでなく、ライフスタイルとセットにしたコンテンツマーケティングを行っているところが多い傾向にあります。商品の機能だけでなく、その世界観ごとアピールできるのが大きな魅力です。

一方、サイトを一から立ち上げなければならないのでコストがかかる、通販サイトのように膨大なユーザーがいないため、顧客獲得まで時間がかかるなどのデメリットもあります。

OMO(Online to Offline)

D2Cサイトとともに今後デジタル施策の主軸となると考えられているのが「OMO」です。OMOとは「Online to Offline」の略で、日本語に訳すと「オンラインとオフラインの融合」を意味します。ビジネスでは、オンライン・オフラインの垣根を取り払い、それぞれの利点を生かした販売方法を指して使われる言葉です。OMOの身近な事例としては、スマートフォンで決済する「キャッシュレス決済」のほか、スマートフォンで注文し店舗で受け取る「モバイルオーダー」などが挙げられます。

OMOの企業側のメリットとしては、オンラインを利用して時間や場所を選ばず買い物できるため、商機逸失が最小化できる点が挙げられます。また、オンラインで消費者の購買傾向を把握しやすいため、より効果的に商品開発やセールス活動を行えるのもポイントでしょう。消費者側も待ち時間が少なく店舗でサービスが受けられる、オンラインで注文して店舗で受け取れば送料がかからないなど、オンラインとオフラインの融合ならではのメリットを得られます。

一方で、システム構築の初期投資がかかること、デジタルになじみのない世代には仕組みが分かりにくいなどのデメリットが挙げられますが、今後デジタルネイティブの世代が増えていくので、初期投資に見合うリターンは充分得られるでしょう。

現在、日本ではまだまだOMOが活かされている状況とは言えません。特に消費財業界で普及が進んでいるのはキャッシュレス決済ぐらいなので、今後OMOの特性を活かしたデジタル施策の普及が期待されます。

越境EC

越境ECとは、インターネットでの電子商取引を通じて、海外に商品を販売するECサイトを言います。特に中国や台湾、タイなどの東南アジア諸国では、日本メーカーへの信頼度が高く、多少高価でも商品を購入したい人が多く存在するため、今後成長が見込まれる分野です。

越境ECの一番のメリットは、やはり世界中に市場を拡大できることでしょう。もし成功すれば大幅な売り上げアップが期待できます。一方、国をまたぐ商取引になるため、輸送や税制、言語や決済などが国内での商取引のように単純ではなく、実現するまでには様々なハードルが存在します。越境ECを始める際は、国際間商取引についての知識を充分に蓄えてから行う必要があるでしょう。

「SAP Customer Experience」でeコマースを迅速導入

先述した通り、消費財分野でもデジタル技術を活かした大胆なDX化が求められています。しかし、自社でシステム構築から行っていては、手間もコストも膨大なものになり、迅速な参入とはいかなくなってしまいます。そこでおすすめしたいのが、デジタル技術を用いて顧客管理を行う、CRM(Customer Relationship Management)サービスです。

CRMサービスは数多くありますが、顧客情報のパーソナライズで高い評価を得ているのが、「SAP Customer Experience(SAP C/4 HANA)」。これは基幹業務システムのトップシェアを誇るSAP 社が提供する次世代クラウド型CRMソフトウェアです。

「SAP Customer Experience」には、越境ECサイト等でも必須とされる「eコマース」「カスタマーデータ」「セールス」「サービス」「マーケティング」の5つのソリューションが備わっています。各部門で集めた顧客情報を一つのプラットフォームで一元管理することで、顧客情報をシームレスに連携し共有できるのが大きな特徴です。そうして集約した情報を詳しく分析することによすることにより、顧客一人ひとりの目に見えないインサイトまでも把握し、具体的な購買行動に繋げていきます。

また、eコマースソリューションでは、B2CやB2Bなどさまざまな販売形態に対応しています。旅行や金融、官公庁など業種に応じた固有の機能も搭載されているため、業種や業界を選ばずソリューションを活用し、eコマースを迅速に導入できます。

まとめ

IT化が進んだ現代、オンラインとオフラインの垣根なく魅力的な購買体験を求めるユーザーが増えています。これまで店舗での小売りに頼っていた消費財業界も、大胆にDXを進める転換点に立たされています。これらを鑑みると、D2CサイトやOMOなどデジタル技術を用いた販売方法の改革は、消費財メーカーが取り組むべき喫緊の課題でしょう。

そこで、顧客データの管理やマーケティングに適したCRMサービスなどを活用して、課題解決に踏み出してみてはいかがでしょうか。CRMを上手く活用すれば、自社でシステムから作るのが難しい企業でも、迅速にeコマースを実現できるに違いありません。


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