マーケティング顧客体験(CX)

訪問者を楽しませて喜ばせる5つのコンテンツマーケティング手法

コンテンツマーケティングというと真っ先に思い浮かぶものがブログ記事ですよね。

しかし、コンテンツとはブログ記事だけではないことは多くのマーケッターの方々は理解しているでしょう。例えば、インフォグラフィクスもコンテンツですし、動画もコンテンツです。EブックもプレスリリースもEブックも全てコンテンツです。

そして、なぜコンテンツを提供するのかというとユーザーの興味をひき、共感してもらい、商品やサービスを購入していただくためです。

そのためには訪問者が楽しんでもらえるコンテンツ、喜んでもらえるコンテンツが欠かせないと言えるでしょう。

今回は「訪問者を楽しませるコンテンツ」について事例を交えながらご紹介します。

コンテンツの種類

訪問者を楽しませるコンテンツに触れる前に、コンテンツマーケティングで実践可能なコンテンツの種類について触れてみたいと思います。

コンテンツマーケティングで使えるコンテンツは大きくは4つに分類されます。例えばSmartInsightsという企業ではコンテンツは大きく4つに分類できると言っています。

  1. Inspire(奮い立たせる)
  2. Entertain(楽しませる)
  3. Convince(納得させる)
  4. Educate(教育する)

その4つの分類の中には26種類のコンテンツタイプがあるとしています。

こちらのグラフをクリックするとその詳細が確認できます。非常によく分類できていますよね。

コンテンツの種類

その中からこの記事では、「ENTERTAIN(≒楽しませる、喜ばせる)」ものに分類された5つについて、実際の日本国内での事例も紹介しながら、解説していきたいと思います。

  • ゲーム
  • クイズ
  • コンテスト
  • 動画
  • バイラル

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

デジタル技術の進化と共に購買プロセスが大きく変化し、B2B・B2C に関わらず、購買者はあらゆるタッチポイントで一貫したサービスを求めるようになりました。この変化の激しい時代において求められる顧客体験とはどのようなものか?

本動画は、過去 SAP.iO のプログラムに参加し、当領域の最前線で活躍されているスタートアップ各社の CEO をお招きし、日本企業が目指すべき将来の CX のあり方などについてディスカッションした内容を収録しています。

動画視聴はこちら

訪問者を喜ばせるための5つのコンテンツタイプ

それでは早速、確認していきましょう。

ゲーム

ゲームはインターネット、スマホアプリで定番のコンテンツですが、これはゲームそのものが目的にコンテンツであるため今回は省略します。

ここでご紹介したいのはコンテンツマーケティングのためのゲームです。

コンテンツマーケティングのためのゲームって何?ということですが、ゲームそのものが目的ではなく、ゲームを通して「認知」「実際の購入、申込み」などの成果に結びつけていくものと捉えていただければと思います。

日本に住んでいるとあらゆるところで登場してくるTポイント。このO2Oの代表とも言えるT-Pointですが、そのサイトでは、ゲームをしてT-POINTを貯めていくというコンテンツが、豊富に用意されています。

ゲーム

Tサイト ゲームでT-POINTを貯める

ゲーム_2

Tポイントすごろく

ゲーム_3

Tポイントロト

すごろくやロトなど、簡単にできそうなゲームも用意されていますので、気軽に始めてみることができます。

ゲーム_4

Tの世界 Tカード連動 街づくりゲーム!

街づくりゲームの方は、ガッチリとゲームといった感じです。先ほどTポイントはO2Oの代表と書きましたが、その世界観を表しているゲームです。

ゲームの中でブランディングをしているというのも、面白い取組み方です。

ゲームコンテンツに関しては、このTサイトのように継続して利用してもらうという例が目立ちます。何度もアクセスしてもらうので商品やサービスの認知度は、当然ながら上がってきます。またポイントなどインセンティブを組み合わせることで、購入などに結びつけていけます。

コンテンツマーケティングでゲームを作る際には、単発のゲームではなくこうしたインセンティブがユーザーを惹きつけます。

ただし気をつけないといけないのは、ユーザー数や訪問頻度をアップさせるためにインセンティブに頼り過ぎないということです。

インセンティブはサービス提供者側にとっては、経費になります。そのため「成果を出すためにはより多くのインセンティブが必要」となれば、コンテンツマーケティングとしての役割を果たしているとは言えなくなりますよね。

いかにゲームの魅力でユーザー数や訪問頻度を増やしながらも自社の利益を優先させるのかが、ゲームコンテンツの企画では大切になります。

クイズ

クイズを使って商品やサービスの理解を深めていく、という手法もよくみられるコンテンツマーケティングの手法です。また、理解を深める以外にも、そのカテゴリジャンルに対して最初に興味を持ってもらうという目的の場合もあるでしょう。

ここでは商品やサービスの購入にそれほど近くないユーザーに対しての、クイズのコンテンツ事例を紹介します。

クイズ

富士セロックス 紙クイズ[歴史編]

このサイトは紙の歴史に関するクイズです。商品やサービスそのものの認知を上げるためのクイズではないことに加えて、富士ゼロックスというBtoB企業がおこなっているという部分も興味深いところです。

富士ゼロックスは企業に対してオフィス関連製品を提供していますが、その中にはコピー機、プリンタといったものがありますので、紙はそれらに関連しているということでしょう。

クイズ_2

実際にクイズに回答してみると、想像以上に楽しめました。(富士ゼロックスのマーケのみなさん、すみません)

パピルス紙、和紙、クッキングペーパーの中で紙はどれですか、というシンプル問題です。

和紙と答えれば正解なのですが、他は不正解です。パピルス紙もクッキングペーパーも紙ではないのですね。ちょっとした豆知識ですが、「ふ~ん」となるのがこのコンテンツの魅力でしょう。

BtoBサイトだけに、作りとしては非常にスッキリしたものになっています。

コンシューマー向けクイズであれば先ほどのTサイトのようにデザイン要素をもっと加えた方が良いのでしょうが、BtoBであれば仕事の合間のちょっとした息抜きになるような感じで良いと思います。

このコンテンツの場合は直接サービスや商品に結びつかないので、効果測定をどうやるかが悩ましいところかもしれません。

コンテスト

コンテストとは競技会のことなのはご存知の通りです。そしてそのコンテンツをWebサイトで行うという面白い取り組みがありましたのでご紹介しましょう。

写真がインターネットで大きな力を発揮するのは、Instagramが瞬く間に広がりを見せたことからも明らかでしょう。その写真に賞の要素を組み合わせたものが、フォトコンテストです。

これから紹介するコンテストというコンテンツでも、もっともメジャーな使われ方と言えるでしょう。

コンテスト

富士フィルム 第56回 フジコン大賞

写真は文字以上に雄弁にさまざまなことを語り、伝えてくれます。感情も揺さぶります。

Webコンテンツとしては賞でランクづけすると共に、この富士フィルムのコンテストのように、審査員からの選評などテキスト要素も加味するのが良いでしょう。

またコンテストの別バリエーションとして、ランキングコンテンツもあります。ランキングコンテンツ

いきなりステーキ 肉マイレージランキング

いきなりステーキのコンテンツは、ユーザーが参加しているという「自分ごと」にもなるコンテンツです。(ちなみに私の財布にはいつも肉マイレージカードが入っています。どうでも良いですね。すみません)

また他のユーザーと自分を比べることで、一層来店する意欲を高める役割も果たしてくれます。

動画

今やWebコンテンツでは当たり前になっている動画は、内容やつくり方でENTERTAINでも大きな力を発揮します。

動画

株式会社クリハラワールド ムッキーちゃん

アイデア商品です。特別な内容ではなく商品の使い方を動画にしたものですが、軽やかな音楽にのせての紹介になっていて、見ていると心が弾んできます。

写真とテキストだけよりも、この商品に大きく興味がわいてくるのは動画というコンテンツタイプの力が大きいでしょう。

また自社の公式動画の横に、リコメンドされた関連動画が並んでいるのにも注目です。企業からではない一般の人からの情報なので、この商品に対する信頼も一層増します。

演出や出演者などにある程度お金をかけた動画はもちろん、この動画のようにBGMの選び方だけでもまったく印象が違うコンテンツになります。

バイラル

ソーシャルメディアで拡散していくものを、バイラルと呼びます。

今回紹介している分類では、バイラル動画、いわゆる「バズる」動画を指しています。

バイラル

 

ブランドムービー「はっ!ケンタッキー」| KFC

ケンタッキー・フライド・チキンの象徴、カーネル・サンダースが歩き出すという意外性が話題の動画が、ケンタッキーフライドチキンの公式Youtubeチャンネルから発信されています。

これまでの企業のブランディング、またイメージ重視のテレビCMからは生まれなかった動画と言えます。

面白さ、意外性、感動など、バズってもらうための手法はいろいろあります。

また同じ動画でもテレビCMと違う、ドラマや映画とも違う表現方法になってきますので、そのあたりをよく研究していく必要があります。

なお分類ではバズってもらう方法は動画となっていますが、別のコンテンツでもエンタメ要素は出せます。

 

KINCHO

KINCHO 大日本除虫菊株式会社 ラジオCM 金鳥少年ラジオ

殺虫剤で馴染みが深いKINCHOは、昔から面白いテレビCMを多く作っています。インターネット全盛の今あれば、話題になるものもたくさんあったはずです。

今回紹介するのはラジオCMをWebページに掲載した、音声コンテンツです。

独特の雰囲気、会話の間が最高です。動画以外でもこうした内容のユニークさでバズるコンテンツは可能です。

まとめ

ユーザーを楽しませる、喜ばせるコンテンツタイプを5つ紹介しました。少し前に「ゲーミフィケーション」と呼ばれていたものと、近しいものばかりです。

こうしたコンテンツに取組む際のポイントは、まず「コンテンツマーケティングの役割を忘れない」ことです。

つまり、認知を上げていくことに加えて、購入や申込みといったコンバージョンに導いていく目的を果たすことです。

合わせて「効果測定をする、出来るようにする」ことも必須です。KPIが何になるかを、企画段階でよく考えましょう。たとえば最後のバイラルなら、シェアやいいねなどSNSでの反応を集計してみるのも良さそうです。

そして何より、自分たちが楽しんで企画することが重要なのかもしれません。自分たちが楽しまなければ人々を楽しませることはできませんからね。

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