マーケティング

マーケティングオートメーション(MA)の運用を始める前に

みなさんはすでにマーケティングオートメーションを導入されているでしょうか?その運用に満足されているでしょうか?

もしすでに導入しているという方は、導入したときのことを思い出してみてください。これから新しいツールを使って、これまで苦労していた作業が楽になり、成果も可視化されて社内的な評価も上がる、そんな夢と希望にあふれて導入されたのではないでしょうか?

そしていま、みなさんはマーケティングオートメーションに対してどのような感想を持っているでしょうか?期待通り、期待以上の成果が出たと感じている方もいらっしゃれば、残念な気持ちを持っている方もいらっしゃるでしょう。その違いはどこから出てくるのでしょう?

私はマーケティングオートメーションの運用のサービスに携わり、多くのお客様のマーケティングオートメーションとのかかわり方を見てきました。そこで、少しでも多くの方にマーケティングオートメーションを活用していただくために、そのポイントをお伝えしていきたいと思います。

今回は、マーケティングオートメーションに何を期待するのかということを考えてみたいと思います。期待通り、期待外れなどと言いますが、その「期待」とは何なのでしょうか。いい期待と悪い期待を考えていきます。

マーケティングの役割とは?

そのまえに、BtoBの企業におけるマーケティングの役割を考えてみたいと思います。これによって、なにを「オートメーション」したいのかが変わってきてしまうからです。

マーケティングの仕事は多岐にわたります。イベントの企画や実施、カタログやEブックの制作、メルマガの配信、セミナーの集客やフォロー、広告の出向もしくは手配、ソーシャルの運営、事例制作、動画制作など本当に多くの仕事があるでしょう。これらを多くの場合は限られた人数で回しているので、常に目まぐるしく仕事をしていると思います。

しかし、こんな時こそ落ち着いて目的を考え直してみましょう。

会社によってマーケティングが期待されていることや目標も違うかもしれません。しかし、おそらく共通している「目的」は、「市場から自社の顧客になる可能性がある人を見つけ出し、最終的に顧客になってもらうこと」に尽きるのではないでしょうか。そのためにイベントを行って認知度を上げたり、セミナーを開催して関心がありそうな人を集めて自社ソリューションを訴求したりします。もちろん、最後の一押しは営業の役割かもしれません。しかし、この重要なプロセスの役割を担っていることには異論はないでしょう。

つまり、日々いそがしく行っている仕事は、この目的を達成するための「手段」であるわけです。

しかしながら、世の中のマーケティングに関する悲劇の多くは手段が目的化することに始まります。

マーケティングオートメーションを導入する際も同じです。マーケティングの目的は、広大な市場から自社の潜在顧客を見つけ出すことであり、最終的に顧客になってもらうことです。それを効率的にするための手段がマーケティングオートメーションの導入です。まずはこのことを忘れないようにしてスタートです。

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

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デジタル技術の進化と共に購買プロセスが大きく変化し、B2B・B2C に関わらず、購買者はあらゆるタッチポイントで一貫したサービスを求めるようになりました。この変化の激しい時代において求められる顧客体験とはどのようなものか?

本動画は、過去 SAP.iO のプログラムに参加し、当領域の最前線で活躍されているスタートアップ各社の CEO をお招きし、日本企業が目指すべき将来の CX のあり方などについてディスカッションした内容を収録しています。

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マーケティングオートメーションとは?

では、本題のマーケティングオートメーションに入りましょう。

BtoBのビジネスを考えてみましょう。日本国内には約400万の法人があります。つまり、国内市場をターゲットにしている企業においては、この400万の市場から自社の潜在顧客を見つけ出し、あるいは気づいてもらい、最終的に顧客になってもらわないといけないのです。

これを手作業でやるということを考える人はいないでしょう。つまり、マーケティングにITの活用は必然であり、なにも特別なことではないのです。

そして同時に考えなければいけないのは、潜在顧客は「なにか」を探すときにインターネットを使うということです。これはマーケティングを行う側からすると都合がいいことです。なぜなら多くの潜在顧客に対してインターネットを介してたどり着ける可能性が高いからです。

そのために、必然的にマーケティング活動はWebサイトとメールなどのコミュニケーションツールの活用が不可欠になります。そしてこれらは独立したものではなく、たがいに関連しあうものです。これはみなさんも違和感はないでしょう。メールから特定のWebサイトへのリンクがついている、特定のWebサイトを閲覧するとメールで通知が来る、このような経験はどなたにもあるでしょう。

一義的な意味で言うと、このような潜在顧客とのやり取りを自動化するのがマーケティングオートメーションの第一歩と言えます。しかし、多くのみなさんがこの第一歩で止まってしまい、いつのまにか高価なメール配信システムになってしまっているのです。

思い出してください。マーケティングの目的は、潜在顧客を見つけ出し、顧客になってもらうことです。メール配信は重要なコミュニケーション手段ですが、あくまで手段の一つです。では、マーケティングオートメーションに何を期待すればいいのでしょう?

マーケティングオートメーションへのいい期待

マーケティングオートメーションに対する期待値とは何でしょう。それは「確度の高いリード」を生成することです。そしてそれはマーケティングオートメーションを入れるだけでは達成できないことを理解することです。

マーケティングオートメーションはいくつものメジャーな製品が提供されていますが、それぞれ便利な機能がたくさんあります。しかし、これらの機能を使うためには「材料」が必要です。材料がなければ、どんなに便利な器具があってもおいしい料理はできません。

自社のソリューションを潜在顧客に訴求するための材料を用意し、マーケティングオートメーションをうまく使って顧客化という成果を上げるという位置づけを理解することから「いい期待」は始まります。

マーケティングオートメーションへの悪い期待

一方で、マーケティングオートメーションを導入したものの、なかなか「顧客」という成果に結びつかないケースも多々あります。そのときの典型的な期待値は、「マーケティングオートメーションを導入したからリードが作れるはず」ということです。確かに高額な費用を払ってリードジェンガできないなんて・・・と思う気持ちもわかります。

本稿をここまで読んでいただいた方にはもう説明は必要ないと思いますが、マーケティングオートメーションを導入しただけでは中身は空っぽです。いくら優秀な道具でも、空っぽのものから何かを生み出すことはできません。

インプットがあるからアウトプットがある。マーケティングオートメーションは魔法のツールではありません。そこに担当者の狙いや思い、日々の業務の自動化を実装する必要があります。これさえ理解すれば、もうみなさんはマーケティングオートメーションを正しく活用するためのスタートラインに立っているのです。

マーケティングオートメーションの運用とは

ここまでで、マーケティングオートメーションは導入しただけで効果が出るものではないというのは十分お分かりいただけたでしょう。つまり、導入してからの運用こそがマーケティングオートメーションの本番なのです。そしてこれは半永久的に続くプロセスです。

そういうと、なんだか途方もないことに思われるかもしれません。しかし、マーケティングオートメーションの運用の「ツボ」さえ押さえれば、それは決して難しいことではありません。

ここでマーケティングオートメーション独特の概念が出てきます。それは「ステージ」と「ナーチャリング」です。この二つを起点にしながらマーケティングオートメーションを設計するのが基本です。このブログではMAの運用のポイントなどを次回以降で、ご紹介してゆきます。

自社のソリューションも競合も含めてマーケットは絶えず変化します。ぜひマーケティングオートメーションを最大限に活用して、マーケティングとしての目標を達成してください。またマーケティングオートメーションの運用でお困りの方はぜひ弊社までお声がけください!

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