顧客データID管理

デジタルアイデンティティが実現する世界

ITが発達した昨今、私たちの情報となる「デジタルアイデンティティ」は非常に重要な要素の一つとなっています。普段、何気なく利用するデジタルアイデンティティ情報ですが、その裏では私たちの利便性の向上や、新たなサービスの可能性を生み出していることをご存知でしょうか。

今回は、アイデンティティの変化からデジタルアイデンティティがもたらす価値、求められる役割について解説します。

アイデンティティの変化

はじめに、アイデンティティとは自己同一性のことであり、「自分が何者なのか」を表す概念を指します。ITが私たちの生活のなかに馴染み、活用することが一般的になった近年では、アイデンティティのデジタル化という変化が訪れています。

デジタルアイデンティティは、私たちをコンピュータ上で処理するためのアイデンティティ情報であり、さまざまな属性情報から成り立つものです。近年では、サービスやビジネスプロセスのオンライン化が進展したため、さまざまな企業が私たちのデジタルアイデンティティ情報を保有するようになりました。

そして、企業ごとに管理されている氏名や住所、年齢などのユーザー情報を企業間で連携・活用するニーズが高まっています。私たちのデジタルアイデンティティ情報は、さまざまな企業で管理されていますが、今後は企業間の連携によって新たなサービスや、より利便性を向上させたサービスを享受するために利用されることでしょう。

しかし、デジタルアイデンティティ情報の企業間連携では、プライバシー保護と信用性の担保の両立が大きな課題となっています。2019年に大きな問題となったリクナビによる「内定辞退率」問題や、「破産者マップ」といったプライバシー侵害・人権侵害の事例は、代表的な例と言えるでしょう。

これらの課題に対応するために、個人情報保護法の改正案が成立し、2022年には全面施行されることとなっています。私たちのプライバシーの在り方、デジタルアイデンティティの在り方に変化が訪れていることは覚えておくべきでしょう。

デジタルアイデンティティ情報を提供する私たちは、アイデンティティの変化について理解した上で、提供の有無をしっかりと決めなければならなくなっています。

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デジタルアイデンティティがもたらす価値

デジタルアイデンティティが活用されることで、私たちには大きなメリットがあります。デジタルアイデンティティがもたらす価値・メリットについて、一つずつ見ていきましょう。

異なるサービス間の連携による利便性の向上

私たちのアイデンティティ情報がデジタル化されることによって、管理・連携が行いやすくなります。そうすると、異なるサービス間での連携も容易に行えるようになり、私たちの利便性が向上することにつながるのです。

たとえば、ソーシャルログインの仕組みもデジタルアイデンティティがもたらす価値の一つと言えるでしょう。ソーシャルログインは、SNSなどのアカウントを使って異なるサービスへ登録・ログインするための仕組みです。

SNSなどに登録したデジタルアイデンティティ情報を異なるサービス間で連携することで、私たちはサービスごとにアカウントを管理する手間がなくなり、利便性が向上するのです。

今までにない新しいサービスが生み出される可能性

デジタルアイデンティティ情報を活用することで、新しいサービスが生み出される可能性があります。たとえば、レジなしコンビニのAmazon Goでは、ユーザーは入店してから商品を手に取り、退店するだけで決済が後ほど行われる仕組みとなっています。

このとき、Amazon Goの店内ではAIカメラによって私たちの情報を認識し、Amazon内に保存されているデジタルアイデンティティ情報と組み合わせることで、このサービスを実現しています。

従来はレジで決済せずに商品を買うことはできません。しかし、デジタルアイデンティティを活用することで、このような新しいサービスが生み出される可能性があるのです。

セキュリティの向上

セキュリティ面においても、デジタルアイデンティティの活用によって私たちが享受できるメリットがあります。

近年では多種多様なサービスが提供されており、私たちはサービスごとにアカウントを作成して管理しなければならない場面も少なくないでしょう。しかし、利用するサービスが増えるほどアカウントの管理は大変になり、パスワードなどを使い回す方も多いのではないでしょうか。

パスワードの使いまわしは、仮にどこかのサービスがサイバー攻撃に遭い、デジタルアイデンティティ情報を盗み出された場合に被害が拡大する可能性が高くなるため危険です。たとえば、サービスAがサイバー攻撃に遭ったとき、サービスB/Cで同じパスワードを使いまわしていると、サービスB/Cにおいてもあなたが被害にあう可能性が出てくるのです。

もちろん、従来のデジタルアイデンティティ管理ではこのような危険性も考えられますが、近年では「統合ID管理」「IDaaS」といった考え方が普及しています。複数のサービスなどで利用するアカウントを一元的に管理することで、パスワードの使い回しなどのセキュリティリスクを回避し、セキュリティを向上させようとする仕組みです。

そのほかにも、アカウントの一元管理によって私たちは煩雑なアカウント管理から開放され、利便性が向上します。このようなID管理においても、デジタルアイデンティティならではの施策といえ、デジタルアイデンティティがもたらす価値の一つと言えるでしょう。

デジタルアイデンティティに求められる役割

デジタルアイデンティティに求められる役割は「セキュリティと利便性の両立」「新サービスへの可能性」と言えます。セキュリティと利便性はトレードオフの関係にありますが、デジタルアイデンティティ情報を上手に活用することで、双方にとって納得できる着地点を導き出すことができるでしょう。

また、デジタルアイデンティティ情報を単なるログイン情報として扱うのではなく、さまざまなサービスとの連携に活用することで、新たなサービスが誕生する可能性が生まれます。デジタルアイデンティティは、今後さらに発展するIT技術において欠かせない要素の一つであり、その役割は非常に大きいものなのです。

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