データ連携とは?ポイントごとに紹介

 2022.08.15  顧客体験(CX)活用ポータル編集部

社内に存在するすべてのデータをビジネスにフル活用できるようにするには、データ連携基盤の構築が必要です。データ連携とは、バラバラに散らばっているデータを繋ぎ合わせて一元的に有効活用することを意味します。本記事では、このデータ連携の仕組みやメリットのほか、実装方法や連携の際の注意点について解説します。

データ連携とは

データ連携とは、社内の各所に散在するさまざまな形式のデータを一箇所に集約して、情報資産として活用する方法です。ビッグデータやデータ分析の重要性が広く知られている一方で、一企業が保有する膨大なデータは、統一性がなく整理されていないケースが少なくありません。

以前は、部署ごとに異なるシステムでデータ収集を進めるケースが主流だったため、部署ごとに得られたデータをひとつにまとめて分析するのが非常に困難でした。結果としてタイムリーなデータ分析ができず、自社が保有している膨大な量のデータを有効に活用できずに放置してしまうケースが多くありました。

しかし、データの重要度が日に日に増す現代においては、せっかく多くのデータを保有していてもビジネスに有効活用できなければ意味を成しません。そこで重要なのがデータ連携です。データを連携することで、保有データが眠ったまま活用されない状況を打破できます。また、点在する社内のデータを一箇所に集約できれば、業務の進捗状況を網羅的に把握できるため、業務最適化に繋がる施策も可能になります。

なお、データ連携と関連性の高い「データ統合」という言葉もあります。データ統合とは、簡単に言うと異なるソースのデータを一箇所で利用できるようにまとめることです。そして、データ連携は、データ統合された個々のデータを繋ぎ合わせて活用することを意味します。データ統合は基本的にデータ連携とセットで行うものなので、この2つの概念はしばしば同じように語られます。

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データ連携の実装方法

データ連携の実装方法としてまず挙げられるのが、EAIツール・ETLツール・RPAツール・レシピ型iPaaSの活用です。これらのツールは特徴が大きく異なるため、自社の状況に適したものを選択しなくてはなりません。ここからは、それぞれのツールの詳細を解説します。

EAIツール

EAIは「Enterprise Application Integration」の略で、日本語では「企業内アプリケーション統合」という意味です。

その名の通り、EAIは企業内のさまざまなシステムのデータを統合・連携する仕組みを指し、そのためのソフトウェア・システムをEAIツールと呼びます。ツールを導入するだけでデータ連携が可能で、システム開発・管理のノウハウを持たなくても簡単に管理できることから、多くの企業に導入されています。なお、EAIツールはリアルタイムに情報・データ処理を実現するツールであり、膨大な量のデータ処理には適していません。

ETLツール

ETLとはデータ処理における「抽出(Extract)」「変換(Transform)」「ロード(Load)」の頭文字を組み合わせた単語です。社内の各システムに格納されたデータを抽出(Extract)し、分析しやすいデータに変換(Transform)、一箇所に集約(Load)する仕組みを指し、この一連のフローを行うシステムをETLツールと呼びます。

ETLツールは、画面上のアイコンで直感的に操作可能なグラフィカルインターフェース(GUI)を搭載しているものが多く、EAIツール同様に、システムについてのノウハウを持たない企業でも使いやすい代物です。

EAIのようなリアルタイムな処理は難しいですが、膨大な量のデータ・ビッグデータの活用には向いている仕組みです。そのため、データ処理に時間の制約がある場合などによく使われます。

RPAツール

RPAとは「Robotic Process Automation」の略称で、PC画面上の定型的な操作をソフトウェア・ロボットによって自動処理するツールのことです。

バックオフィス業務の効率化などの用途で近年注目されているRPAですが、あるアプリケーションから別のアプリケーションへデータをコピーするような単純な仕方でのデータ連携にも使えます。RPAは既存のアプリケーションへ手を加えずに自動化処理を行えるので、従来の業務プロセスを変更する必要がないのが特徴です。

レシピ型iPaaS

iPaaS(アイパース)とは、「integration Platform as a Service」の略称です。iPaaSは、企業が使用するさまざまなアプリケーションをクラウド上で統合することによって、アプリケーション間でのリアルタイムなデータ連携を可能にします。

特に「レシピ型iPaaS」と呼ばれる種類では、よく使われる汎用的な連携処理がテンプレート化されているので、簡単にデータ連携を実行できるので便利です。また、iPaaSの魅力として、比較的安価に導入できることも挙げられます。

データ連携基盤とは

データ連携基盤とは、情報システムに蓄積されたデータを収集・加工して、部門横断的にデータの管理活用を可能にするシステムです。たとえば、上記で紹介したEAIツールやETLツール、iPaaSなどはデータ連携基盤を構築するためのツールです。

営業部門ならSFA、マーケティング部門ならMAというように、企業においては部門ごとに異なる業務システムを使用していることが多いため、各部門が生成・管理するデータはバラバラに散らばりがちです。また、企業の中には売上データのような構造化データもあれば、稟議書のような非構造化データも存在します。しかし、データ連携基盤を導入することで、保存先のシステムやフォーマットを問わず、あらゆるデータをひとつのプラットフォーム上に統合できます。

データ連携のメリット

続いては、データ連携がもたらすメリットについて解説します。

データの統合ができる

データ連携により、多様なシステムから収集されたデータの統合が可能になり、ビジネスにおいてデータの価値をより大きく発揮できます。たとえば、営業部門がSFAやCRMに価値ある顧客データを蓄積しても、データ連携がされていなければ、他部門の担当者はその情報にアクセスできず、そもそもどのようなデータがあるのかも分かりません。しかし、データ連携ができれば、各部門はお互いにそれぞれが蓄積したデータにアクセスし、自部門のデータだけからは見えない有用なインサイトを抽出しやすくなります。これにより、部門横断的な視野での意思決定が可能になります。

リアルタイムでデータを活用できるようになる

データ連携をすることで、誰もがリアルタイムに最新のデータを活用できるようになるのも大きなメリットです。データ連携をしていない場合、他のシステムにデータを反映したり、何らかの媒体を通して他部署の担当者にデータを渡したりするには一定の時間がかかってしまいます。こうしたタイムラグは情報の鮮度を落とし、ビジネス上のチャンスやリスクを見落とすことにも繋がりかねません。しかし、データ連携をしていれば、たとえ遠く離れた海外の担当者であってもすぐに最新の状況をチェックして必要な業務を行えます。

効率化・コスト削減ができる

データ連携により、業務効率化やコストの削減も期待できます。データ連携によって部門間でリアルタイムにデータを受け渡しできるようになれば、部門間の協力体制を強化し、全社的にデータを活用できるようになります。また、複数のシステム間でさまざまな形式のデータを連携させるには、通常はデータの収集・蓄積・加工の手間がかかりますが、データ連携基盤を構築することで、そうした手間やコストを省いて、スムーズにデータ活用へ取り組めます。

データ統合がマーケティングに必要な理由

データ統合やデータ連携は、とりわけマーケティングの需要予測において必要です。

インターネットやスマートフォンの普及により、現代では誰もが膨大な情報を気軽に手に入れられるようになりました。また、ECビジネスの普及にみられるように、購買活動そのものもインターネットがない時代とは大きく変わってきています。

情報化社会の中で、顧客ニーズも複雑かつ多様に変化してきており、企業は消費者のニーズを把握するのが非常に難しくなってきました。情報が流れる早さに合わせるように、顧客ニーズのトレンドもすぐに移り変わるようになってきたので、その苦労はなおさらです。

このような市場状況において、顧客が望む製品やサービスを絶えず提供し続けるためには、多種多様なデータに基づいた高精度の需要予測と、それに基づいたマーケティング戦略が欠かせません。そして、信頼性のある需要予測を行うには、顧客や市場に関する膨大なデータが必要です。自社内に存在するあらゆるデータのフル活用を可能にするデータ統合やデータ連携、そしてそれに基づく分析は、データドリブンなマーケティング活動を実施するうえで重要な役割を果たします。

データ連携のポイント・注意点

データ連携でビジネス上の成果を挙げるにはいくつかのコツや注意点があります。そこで以下では、データ連携のポイントを解説します。

活用イメージを具体化する

データ連携に取り組む際には、データ連携を自社のビジネスや業務にどのように役立てられるか、あらかじめ活用イメージを具体化しておくことが大切です。活用イメージが曖昧なままシステムを導入しても、コストがかかるばかりでビジネス上の利益は生み出せません。むしろ、システムを持て余して業務効率の低下やブラックボックス化を招く恐れすらあります。したがって、データ連携を行う際には、それによって達成すべき事業目標や解決すべき経営課題などを明確化しておかなければなりません。

ツールの選定は慎重に

データ連携に伴って導入するツールの選定を慎重に行いましょう。上記で紹介したように、データ連携で使用されるツールの種類はさまざまです。あるいは、データ統合基盤にしても、「ERP(統合基幹業務システム)」、「CDP(顧客データ基盤)」、「CRM(顧客管理システム)」など、ここで紹介しなかったツールも数多く存在します。しかも、同じ種類のツールであっても、搭載されている機能や使いやすさ、価格などの諸要素はどの製品も同じではありません。

このように多種多様な製品の中から自社に適したツールを選ぶためには、それぞれのツールの特徴を深く理解しなければなりません。また、先の活用イメージに照らして、自社がデータ連携を行うために必須となる機能要件を明らかにすることが必要です。予算や予測される導入メリットなどと照らして、ツールの費用対効果を考えることも欠かせないでしょう。このように、データ連携ツールを選定する際には、多角的な観点から検討することが大切です。

セキュリティ対策は万全に

データ連携を行う際には、セキュリティ対策を万全に講じることも重要です。データ連携を行う方法としては、データ連携ツールやデータ連携基盤を使わないものもあります。たとえば、TCP/IPによるファイル転送や、連携プログラムのスクラッチ開発などが主な例です。

しかし、こうした独自プログラムの導入は、いわゆる「スパゲッティ化」を起こす可能性があるので注意しなければなりません。プログラムのスパゲッティ化とは、簡単に言うと複雑なコーディングによって他者の目からは理解しにくいプログラムになることです。さまざまなシステムを繋ぎ合わせる都合上、連携プログラムは構造が複雑化になりがちで、システムのブラックボックス化や業務の属人化が起こりやすくなります。ごく限られた人間しか構造が分からないシステムは、セキュリティ上のリスクにも繋がるので注意が必要です。

データ連携を成功に導く「SAP Customer Experience」

SAP Customer Experience(SAP C/4 HANA)とは、ヨーロッパのシステムベンダー最大手「SAP社」によるCRMサービスです。本サービスにより、顧客データをひとつのプラットフォームで一元管理できるようになり、顧客の全体像の把握も可能となります。また、SAP S/4HANAによって顧客データ・業務データを集約して使うこともできるため、社内のシステム・データの連携をお考えの方は、ぜひご検討してみてください。

まとめ

社内に散在するすべてのデータを有効活用するためには、データ連携が必須です。EAIやETLを筆頭にデータ連携に活用できるツールは複数ありますが、それぞれ特徴や強みが異なるため、データ連携の用途やその他の諸条件を考慮して、どのようなツールが必要か慎重に見極めなければなりません。

「DX」などの言葉をよく耳にするようになったように、昨今では多くの企業がデータ活用に取り組んでいます。こうしたデータ活用の流れに乗り遅れないためにも、ぜひデータ連携に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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