Webサイトの移転、施策実施などいざという時のSEOまとめ

 2022.03.30  顧客体験(CX)活用ポータル編集部

Webサイトを運営していると、「Webサイトの移転」といったことが起こり得ます。あるいは日常的な施策は、頻繫に手がけていることでしょう。

こうした時に気になるのが、自然検索への影響です。この記事ではWebサイトの移転や、施策を実施する際に押さえておきたいSEOのポイントについてまとめます。

  1. Webサイトの移転
  2. 施策(ABテスト、パーソナライズなど)

Webサイトの移転

GoogleはWebサイトの移転を、次の二つに定義しています。

  • URLの変更を伴わないサイト移転
  • URLの変更を伴うサイト移転

Webサイトを移転する場合に、裏側のインフラ(サーバーなど)だけ変更する場合には、URLに変更はありません。あるいは大規模サイトの場合で、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を移行する場合もこれにあたります。

一方でURLの変更を伴うサイト移転には、具体的には次のようなケースがあります。

  • プロトコルの変更
    http://www.example.com⇒https://www.example.com
  • ドメイン名の変更
    example.com⇒example.net
  • URL パスの変更
    example.com/page.php?id=1 ⇒example.com/widget
    ※例はいずれもGoogleのヘルプページからの引用。

Googleは「(URLの追加を伴う場合でも)サイトの再設計は、移転とはみなしません」と明記しています。サイトの再設計とは「既存ページのレイアウト変更」「新しいページの追加」などです。

これは当然のことで、これを実施した場合に順位が大幅に下降したら、別の要因によるものでしょう。
サイト移転について、二つのケースに関するポイントを見ていきましょう。

URLの変更を伴わないサイト移転

環境のテスト

新しいインフラ環境をテストします。内容としては「Webページが正常に表示されるか」「Googlebotがアクセスできるか」などです。

前者は二重で公開するわけにはいきませんので、テスト環境を用意して確認するケースが多いです。後者はSearch ConsoleのURL 検査ツールをもちいます。

(移転時1)コードやファイルに問題がないかを確認する

作業時に、クローラーを一時的にブロックする記述(noindex)をしたり、robots.txt ファイルを使っていることがあります。こうしたものがないかを確認して、クロールできるようにしておきます。

(移転時2)DNS 設定の更新

DNS レコードを更新し、新しい環境を参照するように設定します。詳細については、使用するDNS プロバイダに確認する必要があります。

移転時の対応1については、こうした設定がされている場合に限ります。しかし稀に、この不備は見られます。人的なエラーですが、複数人が作業していて、誰が最終確認者かはっきりしないなどの場合に起こりがちです。また一部のファイルにだけ設定が残っている、ということもあります。公開後も意図的にブロックしているページなどあり、後から原因を探すのはなかなか厄介です。

移転時の対応2はそれほど厄介なものではなく、DNS プロバイダが示す手順に従っていれば問題ないケースが多いでしょう。反映がいきわたるのに時間がかかるため、その間は少し心配になるかもしれませんが、正規の手順に従っていれば問題は出にくいはずです。

トラフィックの監視

Search Console の「インデックスカバレッジグラフ」で、問題が発生していないかを監視します。
SEOに関してはSearch Consoleを使った監視で問題はありませんが、Webサイトの規模によってはログやDNS設定の更新などもチェックしていきます。

元のインフラのシャットダウン

元のインフラのログを確認し、トラフィックが0になったらシャットダウンします。

小規模なWebサイトの移転の場合は、新しいインフラの示す手順に従い、Search Consoleをチェックすれば問題は起こりにくいでしょう。大規模サイトの場合は、トラフィック量を調整して新しい環境のテスト、段階的な移行といった手段も考えられます。

いずれにしてもインフラを変える作業になりますので、エンジニア(またはそうした知見が一定以上ある人)と連携しながらおこなうのがベストです。

URLの変更を伴うサイト移転

Webサイトの移行

準備

移転の準備をします。Webサイトの作りにより違いますが、よくあるものとして「CMSのセットアップ」「画像、ダウンロードファイルなどの移行」「証明書の設定」などがあげられます。

Search Consoleの設定、確認

Search Consoleを適切に設定します。これは移転前、移転後の両方に対してです。Search Consoleの所有権確認機能が、移転後も動作しているかをよく見ておく必要があります。「URL パラメータ」「クロール頻度」などの設定を変えている場合は、新しいWebサイトでもこれらの設定が反映しているかを確認します。Googleはサイト移転の大きなポイントとして、このSearch Consoleの設定と確認をあげています。

ドメイン

URLの変更を伴うサイト移転の場合、新しいドメインにするというケースも多いでしょう。新しいドメインに問題がないかを調べておく必要があります。以前そのドメインが使われていたWebサイトでスパム行為がおこなわれていなかったか。前の所有者によるURL削除が残っていないかといった確認をするのがベストです。

URLマッピングの作成

URLマッピングとは、「移転前のURL」「移転後のURL」の対応表です。数ページ程度のWebサイトでは不要ですが、それなりのページ数があれば必須といえます。またドメインだけの変更であれば移転前のリストは作成せず、移転後のものだけあればこと足ります。

URLマッピングを作成する目的は、「移転前のURLにアクセスしたユーザーの誘導」「ドキュメントとして管理」の二つです。前者はユーザーに直接影響が出るので、より重要です。ページ単位だけでなく画像や動画、cssやJavaScriptなども記載されていると、より漏れがなく有用な資料となるでしょう。

URLマッピングをもとにした諸作業

URLマッピングを実際に活用し、サイト移転の実務をおこなっていきます。まずは「アノテーションの更新」です。アノテーションとは関連情報の追記です。「rel="canonical" <link>」を使い、自身のURLを伝えます。スマホ版サイト、多言語ページ(サイト)がある場合は、それらの記述も必要です。

「内部リンクの更新」作業もあります。これは実際にユーザーに影響するものですから、誤りがあると直接的な損失にもつながります。さらに「サイトマップの作成」をおこない、移転した情報をクローラーに伝える準備をします。

301リダイレクト

移転前のURLから、リダイレクトで新しいURLへ遷移するためのセットアップをおこないます。複数あるリダイレクト方法のうち、Googleは「HTTP 301リダイレクト」を推奨しています。301リダイレクトは恒久的な転送です。これをおこなうことで、新しいURLへもとの評価は引き継がれます(ただし部分的な損失、SNSの「いいね」などはリセットされます)。リダイレクトが実際に機能しているか。あるいはSearch Console のURL検査ツールを使ったチェックなども必ずおこなうようにしましょう。

実際の移転

Webサイトの規模により、Googleはおすすめの移転方法を分けています。「小規模、中規模のWebサイト」の場合は一度の移転を勧めています。「大規模のWebサイト」では、何度かに分けての移転も良い方法としています(一斉移転より、必ずしも優れた方法とはされていません)。

小、中規模のWebサイトの場合は一斉の移転で移転の検出、インデックス登録の更新が速くなるというメリットが提示されていますが、ユーザーの利便性の方がより重視されています。また大規模サイトで分割移転も良い方法としているのは、問題が起きた場合の発見や解決を重視した意見です。

Search Consoleを使った諸作業

Search Consoleで「元のサイトのアドレス変更の通知」「移転前と移転後のURLを含んだサイトマップの送信」といった作業をおこないます。移転前を含むのは、クローラーがより認識しやすくなるからのようです。

移転作業が終わったら、Search Consoleの各機能を使いトラフィックの監視をおこなっていきます。サイトマップや、インデックスカバレッジレポートでの登録状況などが役に立ちます。時間の経過とともに、検索クエリで実際の検索状況もチェックしていきます。

実際のURLの変更を伴うWebサイトの移転については、この他にもさまざまな手順や注意事項があります。制作時に一時的なクローラーのブロックのために記述したnoindex 、robots.txtファイルの削除といったことは必須です。またこうした移転の場合にはクロールが頻繁におこなわれることになるため、サーバーに十分な処理能力があることも条件になります。

Googleによるサイト移転に関する詳細なガイドは、下記です。https://developers.google.com/search/docs/advanced/crawling/what-is-site-move?hl=ja&ref_topic=6001951&visit_id=637814082971328175-3974998766&rd=1

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施策(ABテスト、パーソナライズなど)

施策としてABテストをおこなうWebサイトが増えていますが、SEOとの関連についても考慮した方がいいでしょう。施策の一環ですからもちろん悪いことをしているわけではありませんが、ユーザーにより異なるコンテンツを見せることになりますので、思わぬ事態に陥ることも考えられます。

結論をいうと、「テスト期間が終わったら、速やかにテストを修了する」という原則が守られていれば、特に問題はないようです。ただしテスト期間があまりにも長いようだと、コンテンツの評価がしにくく、ランキングが下がってしまう可能性もあります。

最近はGoogleオプテマイズを利用したABテストが多いと思いますが、「(ABテストで変更する)ボタンなど細かなものは、掲載順位にほとんど影響しない」と明記されています。

なおGoogleオプテマイズではURLを変えてのリダイレクトテストも実施できますが、この場合は正規URLの指定が推奨されています。rel="canonical" 属性の記述です。これは他のツールを使ったリダイレクトテストでも、共通の推奨事項となるでしょう。

ABテスト(リダイレクトテスト)以外の施策でも、SEOへの影響が懸念されるものがあります。パーソナライズされたコンテンツ(あるいはアダプティブコンテンツ)です。これについても、Googleは問題なしとしています。原理原則としてパーソナライズは、UXを上げるものです。ですから当然の回答ではあります。

Googleが根本的にNGとしているのは、「ユーザー(含むクローラー)を欺く行為」です。詐欺サイトのようにユーザーがまったく意図しないWebページが出れば別ですが、通常のパーソナライズでそうしたことはないでしょう。またパーソナライズの実務として、たとえばあるハウスメーカーのトップページのメイン画像をそのユーザーが過去に見たおすすめのモデルハウスに変えたからといって、社名自体が変わるわけではありません。通常はハウスメーカーのトップページにアクセスするといった場合のクエリは社名でしょうから、パーソナライズがSEOに影響するといったケースはほとんどないはずです。

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