近年、スマートフォンやIoTデバイスの普及などにより、マーケティング環境が変化する中、特にデジタルマーケティングが増加しています。この記事では、今後注目したいデジタルマーケティングの概要や主な手法、メリットなどを詳しく紹介しています。デジタルマーケティングの実施を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
デジタルマーケティングとは
昨今、新しいマーケティング手法として「デジタルマーケティング」が注目されています。デジタルマーケティングとは、あらゆるデジタルテクノロジーを駆使するマーケティング手法です。
マーケティングを取り巻く環境は、常に変化を続けています。スマートフォンやIoTデバイスなどの普及が増加したことに比例して、マーケティングに扱われるデータも飛躍的に増加しました。デジタルマーケティングでは、こういったビッグデータをAIなどの最新デジタル技術によって、詳細に分析して顧客とのコンタクトづくりに応用されます。
Webマーケティングとの違い
さまざまな手法があるなかで、デジタルマーケティングとよく比較されるのが、「Webマーケティング」です。いずれも、IT技術を応用したマーケティング手法である点は変わりません。しかし、扱うデータの範囲には大きな差があります。
WebマーケティングはWebサイトやWeb広告、SNSなど文字通り、Web上のデータを応用する手法です。一方でデジタルマーケティングでは、Web以外にデジタルテクノロジーで収集したデータも駆使します。
具体的には、スマートフォンから得られる顧客の行動履歴や、IoT商品から得られる利用履歴などです。そのほか、リアル店舗やイベントで収集された各種データも、デジタルマーケティングが扱う範囲に含まれます。デジタルマーケティングは、Webマーケティングを網羅したうえで、さらに幅広いデータを駆使していきます。
デジタルマーケティングが注目される理由
昨今では、子どもから高齢者まで幅広く、スマートフォンやタブレットが普及している状況です。老若男女問わず、誰もがインターネット上でさまざまな情報を集めて、商品を購入しています。たとえば、顧客はリアル店舗にいるにもかかわらず、スマートフォンで口コミなどのデータを参考にしながら、購入するかどうかを決めることは、もはや当然の行動といえます。マーケティングにおいても、こういった顧客の傾向の無視はできません。
さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大も、デジタルマーケティングに大きく影響しています。コロナ禍では外出の機会が減る一方で、テレワークにより自宅にいる時間が長くなりました。その結果、飲食や小売りなどの業種では来店客が急激に減少し、新たな顧客とのコンタクトとして、オンラインを模索する動きが活発化したのです。具体例の一つとして、オンラインで注文するデリバリーサービスが挙げられます。
デジタルマーケティングの主な手法
これだけ注目されているデジタルマーケティングには、どのような手法があるのでしょうか。以下、代表的な手法をピックアップして紹介します。コンテンツマーケティング
ユーザーにとって有益なデジタルコンテンツを提供することにより、中長期的な利益を獲得する手法が「コンテンツマーケティング」です。コンテンツマーケティングでは、ブログや動画などのデジタルコンテンツを顧客に提供し、見込み客を発掘・育成して購買まで促します。そのうえで、ファンとしてその企業の商品やサービスを、定期的に利用してもらえるまで導くのが、コンテンツマーケティングの目指すところです。SNSマーケティング
「SNSマーケティング」とは、文字通りInstagramやTwitter、FacebookなどのSNSを応用したマーケティング手法です。SNSマーケティングでは、企業が専用のアカウントを作成し、SNSでユーザーとのコミュニケーションを図ります。SNSで自社の商品やサービスのポジティブな口コミが広がれば、売上の増加やファン獲得にもつながります。
そのほか、SNS上で広告を配信したり、影響力のあるインフルエンサーに商品紹介を依頼したりすることも、SNSマーケティングの一部です。
DtoC(ディーツーシー)
「DtoC」とは「Direct to Consumer」の略で、製造者が卸売や小売を挟まずに、企画・製造・販売を一貫して行う手法です。代表的な例として、企業が自社のECサイトを通して、直接顧客に商品やサービスを販売する方法が挙げられます。
DtoCのメリットは、中間マージンや手数料が発生しない、という点だけではありません。広告代理店を介さずに、InstagramやTwitterなどを駆使して、自由にマーケティングを展開できる点もその一つです。
その結果、顧客ロイヤルティが高まり、ファンを獲得しやすいという特徴があります。自社のサイトでマーケティングを展開することから、「どのような顧客がどのくらい商品を購入してくれるか」といった情報も集めやすくなります。
デジタルマーケティングを行うメリット
これまでのマーケティング手法と比較して、デジタルマーケティングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下、一つずつ見ていきましょう。
まず、収集した顧客に関するあらゆるデータを、マーケティングに応用できる点が挙げられます。デジタルマーケティングでは、Webコンテンツへのアクセスログだけでなく、顧客の行動履歴やIoT商品の利用履歴の把握が可能です。その結果、これまでより精度の高い施策を打てるようになります。
また、多様なデータの収集や分析によって、顧客一人ひとりのニーズに合わせた、商品・サービスの提供を実行できる点もメリットの一つです。こういったパーソナライズの促進により、コンバージョン率の向上や最終目標の達成などを目指せます。
そのほか、従業員の負荷を減らす省人化を進められる点も注目されています。たとえば、これまで顧客データをExcelに手入力していたところが、デジタルマーケティングでは、専用システムで自動入力される仕組みになっています。これによって、従業員の負荷を軽減し、顧客を獲得するためのマーケティングに集中できるようになるわけです。従業員の労働時間を減らし、コストをカットするのにも役立ちます。
今後注目したいデジタルマーケティングの技術
今後、デジタルマーケティングをさらに推し進めるのに役立つ技術として、動画コンテンツ・AI・IoTが挙げられます。
近年、スマートフォンの普及やネットワークの品質向上により、動画をストレスなく視聴できる環境が整っています。動画コンテンツは、文字や静止画で構成されたコンテンツより印象に残りやすい、という面もあります。デジタルマーケティングでも、動画コンテンツはさらに積極的に採用されるようになるでしょう。
また、AIの発達により、高度な顧客分析を行えるようになった点も、デジタルマーケティングにとっては追い風です。今後、その品質がさらに向上すれば、キャンペーンの開始・終了といった判断まで、ヒトの操作なくAIのみで実行できることが期待されています。
さらに、すべてのモノをインターネットにつなげるIoTの普及も、注目すべきポイントです。今後、IoTがさらに普及すれば、さまざまなモノからより多くの情報を収集できるようになり、買い物のあり方が変化するなど、デジタルマーケティングに活かせます。
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デジタルマーケティングは、デジタル技術を応用するマーケティング手法です。Webコンテンツの閲覧履歴やら、スマートフォンから収集できる行動履歴やら、あらゆるデータを駆使します。これにより、今までより顧客一人ひとりにフィットした、高品質なマーケティングを展開・提供できるようになるといえます。
まとめ
デジタルマーケティングとは、デジタルテクノロジーを最大限に駆使して行われるマーケティング手法です。デジタルマーケティングでは、スマートフォンやIoT機器から収集された行動履歴や利用履歴などを活用し、より幅広いデータを抽出することで、より顧客一人ひとりにフィットした、精度の高い施策を打ち出せるようになります。デジタルマーケティングによって、商品や企業に対するファンをより多く獲得できることが期待されています。コロナ禍で来店客が急減している今こそ、デジタルマーケティングを取り入れるチャンスです。
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