マーケティング

KPIのないマーケティングオートメーション活用が必ず失敗する3つの理由

マーケティングオートメーション、活用していますか?

MAツールを数年前に導入はしたけど、使いきれていないという企業からの相談が増えています。

今までマーケティングを実践してきた企業にとっては、MAツールほど便利なツールはないでしょう。10年前は全て手作業でやっていたわけですから。

その一方で、なんとなく流行りだから導入したという企業にとっては超高級メルマガ配信システムになっていて、効果が全く出ていないという状況に陥ってい流ようです。

今回はマーケティングオートメーションを活用しているが上手くいっていない。あるいは今後活用する予定があるという企業に向け、KPIを設定する重要性について解説していきたいと思います。

まずは用語のおさらいから

まずはKPI、及びKGIについて改めて説明しておきましょう。

KGI(Key Goal Indicator)

「重要目標達成指標」と訳されるKGIは、言わば目的の最終ゴールを占める指標です。例えば、現状目的が売上げの最大化だとすると「半年後までに売上げ150%向上」といった最終目標を掲げることができます。

そしてKGIは目標達成が明確になるよう、期間や達成率を定量的に示さなければなりません。

KPI(Key Performance Indicator)

KGIに対する進捗状況を確認するために用いるのがKPIです。日本語では「重要業績評価指数」と訳されます。つまり、最終ゴールに対する中間ポイントとも言うべき指標ですね。

ただしKPIは一つではありません。KGIを達成するためには様々な要素が絡んでくるので、複数のKPIから進捗を評価する必要があるのです。

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

デジタル技術の進化と共に購買プロセスが大きく変化し、B2B・B2C に関わらず、購買者はあらゆるタッチポイントで一貫したサービスを求めるようになりました。この変化の激しい時代において求められる顧客体験とはどのようなものか?

本動画は、過去 SAP.iO のプログラムに参加し、当領域の最前線で活躍されているスタートアップ各社の CEO をお招きし、日本企業が目指すべき将来の CX のあり方などについてディスカッションした内容を収録しています。

動画視聴はこちら

KPIがないマーケティングオートメーション活用が必ず失敗する理由

ではなぜKPIがなければ失敗してしまうのか?KGIという最終ゴールだけではいけないのか?

KPIがなければ結局のところ“行き当たりばったり”

マーケティングをマラソンに置き換えて考えてみますと、ゴール地点と目標タイムがKGIだとして途中いくつかある中間ポイントがKPIと考えることができますね。そして、この中間ポイント(KPI)がゴール地点(KGI)へ向かうための最短ルートを示しています。

ランナーは中間ポイント(KPI)を経過しつつゴール地点(KGI)に向かうことで、最短距離でゴールすることができるのです。もしもKPIがなければどうなってしまうか?ランナーは最短ルートを見失い、42.195km以上の距離を走ることになってしまいます。

そうなると、余計な時間を費やしてしまうため、目標タイム(KGI)でゴールすることができません。目標未達成です。

つまり、マーケティングにおいてはKPIがなければ“行き当たりばったり”な施策ばかりが横行し、いつまで経ってもKGIを達成することができないということです。

KPIがないと現状課題も見えてこない

マーケティングオートメーションとは今までカバーできていなかった範囲のリードを刈り取り、案件化あるいは商談へと繋げていくためのツールです。そして適切に運用していくためにはPDCAサイクルを常に回していくことが重要になります。

施策を展開、評価して課題を発見し、改善へと向かっていきます。しかし、施策をきちんと評価するための指標がなければPDCAサイクルを回すことはできません。

そしてその指標こそがKPIなのです。

いくつかのKPIをしっかりと設定することで、施策を適切に評価できるようになります。評価ができれば課題が見つかります。課題が見つかれば改善案を出すことができ、再び施策へと反映させることができます。

このようにKPIがないとPDCAサイクルを回していくことができないため、マーケティングオートメーションを効果的に活用してくことができないのです。

KPIがなければチームがまとまらない

KPIとはKGIに対するいくつかの中間ポイントであり、PDCAサイクルを回すための指標かつマーケティングチームが持つ“共有の指針”チーム内でKPIをきちんと共有していれば、一つのゴールに向かって一体感を持って走っていくことができます。

しかしKPIがなければ、チーム内の考えはまとまらず個人プレーが目立つようになり、結果としてKGIを達成することはできないでしょう。

以上がKPIがないマーケティングオートメーション活用が失敗する理由です。反対に、KPIだけを追っていてもいけません。定期的にKGIとKPIの整合性を取り、最終ゴールに向かってしっかりと進んでいるか、現状のKPIは適切な評価するためにどちらも必要なのです。

適切なKPIを設定するために心掛けたいこと

まずKGIとKPIの関係を簡単に表したいと思います。以下の表はBtoBマーケティング企業におけるKGI/KPI設定例です。

 

KGI

KPI

BtoBマーケティングの場合(例)

マーケティングから創出される売上を全社売上目標の25%に貢献する

  • WebからのVisit数を60%向上させる
  • WebからのLead獲得件数を60%向上させる
  • LeadからMQLのコンバージョン率を30%向上させる
  • MQL数を30%向上させる
  • パーソナライズされたアプローチを実施するために12パターンのシナリオを作成する
  • セミナーやイベントの来場者を100%フォローする


上記の例では、KGIに対し複数のKPIが明確に示されています。たとえばECサイトの場合では「1年以内に単月売上げを70%アップする」というKGIに対して客単価を上げる施策や口コミで商品価値を上げるための施策などに取り組む姿勢を設定したりします。

このようにKPIを設定する上で大切なのは、様々な要素からKGIを達成できるようにすることです。「売上げをアップしたいから顧客単価を上げるぞ」というような、単純な施策ではKGIを達成することができないでしょう。

そして適切なKPIを設定するためには“現状把握”が非常に重要です。同じ「売り上げ向上」でも企業によって適切なKPIが異なるため、現状をしっかりと把握した上で「自社が今最も取り組むべき施策」を導き出します。

そうして初めて適切なKPIを設定することができるのです。

KPIを適切に設定しKGIを達成するためには製品選びもかなり重要

実は各マーケティングオートメーションによっても、KPIを適切に設定したりKGIを達成できるかが左右されます。つまりKPIやKGIの観点から製品選びを行うことも非常に大切なのです。

例えばHubspot(ハブスポット)ではシステムにログインした際に、マーケティング活動全体のKPIと共にダッシュボードが表示されます。ユーザーはいつでもKPIを確認できるため「KPIファースト」なマーケティングを展開し、常に適切な運用を行うことができるようになるのです。

このようにマーケティングオートメーションに左右される部分も大きいので、今後導入予定があるという企業では選定基準の一つとして盛り込んでおくと効果的でしょう。

まとめ

いかがでしょうか?マーケティングオートメーションにおけるKPI、及びKGIは非常に重要な役割を果たしており、これらなしで適切な運用はあり得ません。

どんなビジネスもゴールと道筋を明確に示し、ロジカルに進めることで成功を納めます。これはマーケティングにおいても例外ではありません。だからこそKPIやKGIが必要になるのです。

もしも現在、マーケティングオートメーション活用が上手くいっていないという企業がいれば、改めてKPIやKGIについて理解し適切な設定を行ってください。あるいは、KPIに強い製品を導入し直すというのも一つの手でしょう。

適切なKPIとKGIを持って、チーム全体で一つのゴールに向けて最短距離を走り抜けていきましょう。

優れたCX を実現する「顧客データ」活用のあり方を探る
  • fb-button
  • line-button
  • linkedin-button
TOP