製造業のデジタル化とは?最新トレンドやマーケティング事例を紹介!

 2021.09.09  カスタマーデータ活用ポータル編集部

人口減少や新型コロナウイルス感染拡大などさまざまな困難により、今後解決しなければならない問題が日本の製造業に生じています。製造業が抱える問題の解決には、近年のIT技術向上を活用したデジタル化の導入が効果的です。デジタル化によってどのように問題が解決できるのか、事例を交えて解説していきます。

日本の製造業が抱える課題

少子高齢化が進む日本の製造業では、人材不足・次世代への技術継承問題の解消が今後の課題となっています。現在は従業員の高齢化が進み若い世代の人口が減少していることから、新しい人材の確保が難しく、人材不足によって生じる問題はより深刻化しています。

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による影響も、雇用状況悪化の原因のひとつです。厚生労働省の発表した「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について」によると、新型コロナウイルスに係る雇用調整の可能性がある事業所の数は全国で119にものぼります。製造業は、業種別「雇用調整の可能性がある事業所数」「解雇等見込み労働者数」ともに1位となり、解雇見込み労働者数の動向からみてもさらに減少が続くと予想されます。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000819317.pdf

日本の製造業では、業績維持に向け人材不足を補える業務効率化が求められています。今までは製造現場でほとんどITが活用されていませんでしたが、多くの業種で活躍するAI技術導入に注目が集まっています。

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製造業のデジタル化とは

製造業のデジタル化とは人材不足を補うために、これまで人が行っていた作業をロボットやAI、IoT(モノのインターネット)などの技術でカバーして、業務効率を向上させることです。熟練の技術者が行っていた作業を分析し、技術の継承に役立てたり、ロボットの導入で作業の自動化・省力化を図ったりすることが、主なデジタル化の目的です。

紙ベースでの帳票作成やデータ管理を、オンラインに変更するなどの変化も、コスト削減・作業効率アップを実現するデジタル化に該当します。デジタルを活用したデータ管理、技術利用など、さまざまな角度からデジタル化を進めていくことで、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現にもつながります。

デジタル化を実現するメリット

製造業の場合はメインの製造業務だけでなく、受注データや生産管理データ、在庫状況など製品製造に伴うさまざまな管理業務も行わなければなりません。そこでデジタル化による管理業務の効率化が実現すると、生産性の向上が図れます。IoT機器を導入すると、機械の稼働状況・生産性・故障などの問題発生について、データを収集できます。工場全体のデータを集め、生産状況を把握することで、製造上の問題点の発見も可能です。問題点を早期に改善すれば、さらなる生産性の向上につながります。

製品の製造においては、すでにロボットの導入や画像処理機器の利用による業務の自動化・省力化が進んでいます。少人数で高品質の製品を必要数生産する工程を確立させ、業務をより効率化できるのがデジタル化なのです。

製造業では、市場のニーズに合うものを適した時期に製造する必要があります。なぜなら人気のない製品を大量に作ってしまうと、製品が大量に売れ残る場合もあるからです。従来は営業部門が調査した市場ニーズの情報が製造部門に伝わるまで時間がかかっていたケースが多くみられました。時間と共に市場ニーズは変化するため、最新の情報をリアルタイムで共有できれば、製造時期を最適化でき、より多くの利益確保が期待できます。

製造業 × デジタル化の最新トレンド

製造業 × デジタル化の最新トレンドでは「スマートファクトリー」「デジタルツイン」が注目されています。こうした最新技術の導入により、業務の効率化や製造業の改革が進むとの予想があります。

スマートファクトリー

スマートファクトリーとは、工場のさまざまな機械や設備に対して、AI、IoTなどのデジタル技術を接続して生産性を高めた工場を指します。ロボットを導入して人材不足を補うなどの物理的な効率化とは異なり、工場の生産性に関するデータを収集して、その情報をもとに生産ラインの最適化を図り、品質や業務効率の向上も重視しています。こうしたスマートファクトリーを構築するには、ビッグデータを解析するためのツールやIoTの導入が必須となるのです。

デジタルツイン

デジタルツインとは、シミュレーション方法の1つです。リアル空間の物体情報をサイバー(仮想)空間に送り、サイバー空間にコピーを作成してリアル空間の物体の変化をシミュレーションする方法です。スポーツで活用されている選手の動きを再現する「VAR(ビデオアシスタントレフェリー)」「ゴールラインテクノロジー」と同様の技術といえます。

製造業ではトラブル時にサイバー空間で設備トラブルを分析、原因を早期に発見する「設備保全」に利用されるケースが多くみられます。ラインの人員配置など製造体制の最適化など製造に関連した活用だけでなく、新製品の開発時に試作から製造ライン稼働までをサイバー空間で事前に予測できるため、開発コストの削減にもつながります。

製造業におけるデジタルマーケティング事例

実際にデジタルマーケティングを活用している製造業を例にスマートファクトリー、デジタルツインの活用方法をご紹介します。デジタル化のメリットを、いったいどのように活かせているのでしょうか。

ダイキン工業株式会社

世界的空調機メーカーのダイキン工業株式会社は、グローバル化における課題点を解決するために工場のデジタル化を進めました。海外や国内に多数ある企業拠点において熟練の技術者が不足していたため、現製品の品質安定を目的としてスマートファクトリーが導入されています。

日立製作所と協力して構築したスマートファクトリーでは、主に「画像解析システム」などを活用して熟練した技術の動作を解析。人の手では時間がかかる技術者の育成に活かしています。また、熟練技術者の動作をデータ化して評価項目を作成したシステムも開発。技術者の技術向上につながる環境作りも実現しました。

株式会社ダイセル

株式会社ダイセルでは、自動車エアバッグ用の基幹部品インフレ―タを製造している播磨工場において「画像解析システム」を利用しています。複数のカメラで作業者や機械・設備、製品材料の動きを撮影してデータを収集し、集めた画像のビッグデータをAIが解析する仕組みです。AIにより、異常が生じていないかを常に予測可能な体制が構築されたため、製品の品質維持につながっています。

作業員の動作、設備や材料の状態から異常を早い時期に発見できるため、事故の予防も可能です。映像の解析により、効率的な機械・人員の配置も予測できるなど、良いことづくめです。

鹿島建設株式会社

建設会社の大手である鹿島建設株式会社では、建物の建設工程全ての段階で情報をデジタル化。さらに、仮想空間上で変化を確認できる「デジタルツイン」を日本で初めて導入しています。建物の「企画・設計」から「施工」「維持管理」まで、全てがデジタルツイン化されるため、仮想空間で効率よく工程の確認ができ、安全性向上にもつながっています。

鹿島建設株式会社では、これまでに建設現場の遠隔監視ができる建設現場デジタルツイン「3D K-Field」を開発しました。「3D K-Field」によりIoTで収集した人や車などのデータも仮想空間に表示できるため、建設中の現場の様子も常に把握することが可能です。

製造業のデジタル化をサポートするSAPソリューション

日本の製造業のさらなるデジタル化は、SAPジャパンが提供するeコマース、マーケティングなどのソリューションによるサポートによって実現できます。「Industry 4.0」では、工場だけでなく事業全体に利用できるソリューションを構築することが可能です。また、事業に関係するデータを集約して共有するSAPのERPシステムでは、収集したデータを解析するアルゴリズムが連動可能です。

SAPジャパンのIoT・スマートファクトリー関連システム(SAP® Asset Strategy and Performance Management)では、蓄積された大量のデータと東京海上グループの事故データ、保険料に関するアルゴリズムが連動可能です。中堅、中小企業向けの機器設備や工場の生産過程全般の管理で、パフォーマンス効率アップやリスクに関する予兆検知を可能にします。

まとめ

日本の製造業では人材不足が大きな課題だといわれています。少子高齢化、新型コロナウイルスの感染拡大など雇用環境を巡る問題が大きな要因であるため、今後の人材確保や育成環境の改善は、まだまだ先かもしれません。しかし、近年のIT技術を活用したスマートファクトリーにより、IoTやAI、ビッグデータ解析などを利用した効率のよい人材育成が可能になり、製品の品質維持、万全な安全管理などさまざまな問題解決を可能にしています。


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