マーケティング手法で話題の7P分析とは

 2020.07.02  2023.02.03

企業が正しく意思決定するためには、マーケティングが欠かせません。そのマーケティング方法の1つである「7P」は、特にサービス業を展開する企業にとって有益な結果をもたらします。

この記事ではマーケティング戦略に悩む人に向けて、7Pをはじめとするマーケティング手法についてご紹介します。

サービスマーケティングで必要とされる「7P分析」

無形サービスを提供する企業にとって、サービスマーケティングは欠かせません。まずはサービスマーケティングで大きな結果を生み出す「7P」分析と、そのもととなる4P分析について見ていきましょう。

マスマーケティング時代に生まれた「4P分析」

4P分析とは、1960年代にジェローム・マッカーシーというマーケティング学者が提唱した手法です。有形サービスが主流であった当時は、以下の4つの「P」がマーケティングの基礎と認識されていました。

  • product(製品):ターゲットのニーズに合わせた商品を製造販売する
  • price(価格):ターゲットと市場に見合った値付けをする
  • promotion(販売):ターゲットにもっとも効果的に届く営業活動をする
  • place(流通):効率的な流通経路を確立する

つまり4Pとは、「製品が良く価格に見合い、販売経路や流通が適正であれば物は売れるという考え方」といえます。

これからの時代に主流となる「7P分析」

1970年代に入ると産業がさらに発達し、無形サービスを提供する「サービス業」も登場します。そこでアメリカの経営学者であり、もっとも影響力のあるマーケティング学者ともいわれるフィリップ・コトラーが提唱した考え方が「7P」です。

7Pでは、前述した4つのPに以下の3つが加わります。

  • Physical environment(物理的環境):そのブランドにおける体験や演出
  • Process(サービスプロセス):顧客にとって効率よく、そして快適であること
  • People(人):ターゲットにサービスを提供するスタッフの接客・接遇

上記のように7Pでは“サービス”という無形のプロダクトに焦点が当たっています。コトラーは、顧客は商品そのものに限らず、目に見えないサービスが顧客の購買に大きな影響を与えると提唱したのです。

目に見えない無形サービスを提供する「サービス業」にとって、この7P分析は大変大きな結果を生み出します。

「4P」「7P」と合わせて知っておきたい「4C」

マーケティングの考え方として、「4C」というものもあります。時代が進み企業視点から顧客視点へとシフトした結果生まれたもので、以下の4つの項目から成り立ちます。

  • Customer Value:顧客から見た「価値」
  • Cost:顧客にとっての「コスト」
  • Convenience:顧客にとっての利便性
  • Communication:顧客とのコミュニケーション方法

そのほかにも、マーケティング分析の手法は多くあります。興味がある方は、ぜひこちらの記事もご参照ください。

マーケティング分析の手法の代表的な方法とは?

D2C時代に必要な顧客接点強化と営業効率化の施策例
DXの実現を強固にするサイロ化されない顧客データ基盤とは?

【事例】マーケティング7Pを活用して成功する企業2選

では実際に企業がどのように7Pを活用しているのか、その事例について見ていきましょう。

マクドナルド

世界的な企業として知られているマクドナルドも、国内戦略で7Pを活用しています。一時期は落ち込みを見せたマクドナルドですが、徹底したマーケティング戦略によって大きく持ち直し、ファストフードの代表格として国内で支持される存在です。

たとえば2018年には顧客がレギュラーメニューを選ぶキャンペーンを実施しました。定番商品をも顧客に選んでもらうことで、新たなブランド体験を作りだしたのです。

参照:「マクドナルド公式Webサイト

また、「スマイル0円」といった取り組みで接客も手厚く行い、戦略やモバイルオーダーなども導入して顧客に効率よくサービスを提供できるよう工夫しています。このような取り組みによって、マクドナルドも7Pを取り入れたサービス戦略を行っているのです。

ディズニーリゾート

“夢の国”や“神対応”で知られるディズニーリゾートも、7Pを活かした戦略で成功しています。

高い接客レベルを誇るキャストは全員アルバイトスタッフであり、正規雇用ではありません。しかしディズニーというブランドが好きなスタッフばかりが集まるため、自然とブランドに見合った接客ができているのです。この点は、7Pの1つである「People」の魅力といえます。

「テーマパーク」という無形のプロダクト(product)を提供するディズニーは、高い接客レベルでサービスを提供するプロセス(Process)も保証し、非現実を存分に楽しんでもらうための物的環境要素(Physical evidence)を創り出しているのです。

7P分析でマーケティングを成功させる方法と注意点

では最後に、マーケティングの7P分析で大きな成果を目指す「マーケティングミックス」について、その方法と注意点をご紹介します。

マーケティングミックスについて

実行戦略ともいわれ、市場からより望ましい反応を引き出すために、複数の手法を組み合わせることを「マーケティングミックス」といいます。具体的に言うと、今回ご紹介したような7Pや4Cといったマーケティング手法を単体で使うのではなく、文字通り“ミックス”するというイメージです。

そもそも7Pとは、Product、Price、Promotion、Placeという「4P」にPhysical environment、Process、Peopleの3つのPをプラスしたフレームワークであり、7P自体がマーケティングミックスなのです。

ITが発達した現代では、顧客の消費行動は日々複雑化しています。そのため1つのフレームワークでは不十分なこともあり、企業はより複雑なマーケティングを求められます。

マーケティングミックスの本当の目的

前述したようにマーケティングミックスは複数の手法を組み合わせますが、単に多くの手法を使えばいいというわけではありません。1つ1つの手法を理解して効果が最大限に出るよう、“相乗効果”を狙うことが本来の目的です。

まとめ

マーケティング手法の1つである7Pについてご紹介しました。無形サービスを提供するサービス業では、7Pを活用した顧客分析がおすすめです。顧客の目線から自社のサービスを見直すことで、新しい発見があるかもしれません。

今サービス戦略で悩んでいる企業は、ぜひ7P分析を試してみてはいかがでしょうか。

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